今の時季、水辺の植物が盛りだ。いけばなの世界では総じて「水もの」と言っている。
蓮、河骨(コウホネ)睡蓮などなど。 これらは水の中で育つ植物だけに特別な水揚げの処置を施さないとすぐにしなびてしまう。 蓮と河骨の撮影をした。 水揚げの処置だけで午前中いっぱいかかってしまった。ああ、せわしない。 花屋さんから届いたもの、平たく言えば水浸し状態の花材に素早く注水ポンプで薬液を注入する。 ![]() ![]() 注入中の葉を裏から見ると、水が入っている様子がよくわかる。 ![]() 葉に万遍なく水が入ると汗が噴き出るように葉の表面から水が滲み出てくる。丸まっていた葉もピンと張ってシャキッとする。 ![]() ![]() 生ける際も、切り口をなるべく空気にさらさないように、水から水に素早く移すような要領で生けあげる。ああ、せわしない。 こうした生け方を作り上げてきた先人の苦労と努力、創意工夫にはただただ敬服の念を新たにするばかりだ。 ▲
by katabami03
| 2015-07-30 23:22
| いけばな
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暑い盛りにいけばなの展覧会が重なるのは珍しいことだが、見る方にとっては有り難いことだ。
というわけで本日は華道展のハシゴ。 まずは横浜に向かい、横浜華道協会の花展「花笑」を拝見。 数年前より会長をされている日向洋一先生の作。 ![]() 様々ないけばなが楽しめるのは藷流展ならでは。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 第2次展を見た限りでは草月さんの佳作が目立った。 ![]() ![]() 続いて新宿高島屋で開催中の小原流東京支部の花展「颸(すずかぜ・見たことがない漢字だ)の一日」に向かう。 湘南新宿ラインで横浜新宿間が約30分、ずいぶんと近くなったものだ。 会場受付には小原流の重鎮、古作厚子先生とお友達の知地正和先生にお会いし、しばし立ち話。 受付正面の、家元小原宏貴さんの作品。 ![]() 講師陣の合作「風おもう」。 ![]() 「あ、いいなあ」と思ったら、伊藤庭花先生の作でした。 ![]() 古作先生の作品は相変らず豪快で、まさに作は人を表わす。 ![]() 様々なしつらえで見るものを魅了する。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 工藤和彦先生作。 ![]() 東京支部長堀江美瑛先生作。 ![]() 横浜でも新宿でも友人知人にお会いしてついつい長居をしてしまったが、楽しいハシゴだった。 ▲
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| 2015-07-25 21:54
| 展覧会・イベント
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3月に陶芸家の山本安朗さんとジョイント展をした折に、夜の宴席で歌とウードの演奏をしていただいた大城みほさんと常味裕司さんのライブがあるというので覗いてきた。
場所は「ちめんかのや」という、なんだかよくわからない所。 行ってみると、なんと中野の住宅街のど真ん中じゃあないですかっ。 ![]() 何も知らない人はここが飲食や音楽のライブをやっていることには気が付かないだろう。元祖隠れ家といったような不思議な雰囲気を醸し出している。 さてライブは。 まずは常味さんのウードの独奏から。 ![]() 演奏が始まった直後から、中東にワープしたような雰囲気。演奏の合間にウードという楽器の説明をしていただいた。日本ではなじみの薄い楽器なので興味津々。 ![]() 2曲ほどウードの独奏の後に大城みほさん登場。第一部はペルシャやエジプトの歌をご披露いただいた。 ![]() ![]() 軽妙なトークのあとは日本の歌を数曲。 アットホームな雰囲気のライブなのに2時間近くもあれこれ聞かせていただいた。 ウードの基本音階がペンタトニックといわれるブルースの音階と似ているのにびっくりした。 滝廉太郎だったか、その頃以前の日本の歌はウードに合わせることができるが、それ以降の歌はウードと合わせられない、と言った話も興深く拝聴した。 中東とはものの考え方や価値観が全く違うけれど、西欧とは決定的に違う「東洋の血」というものがあるのかなあ・・・そんなことを漠然と思ったりもした。 ▲
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| 2015-07-21 22:01
| 音楽又はブルーズ
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目黒雅叙園で開催中の「和の明かり×百段階段」展を拝見。
まずは百段階段に向かう手前のエレベーター前に展示されている、千羽理應先生の作品を拝見。 ![]() メラメラと燃え上がる千羽先生のパッション。迎花ならぬ迎え火。 百段階段には7つの部屋があるが、いずれも趣向を凝らした展示がしてあり、階段を上がるごとに、次の部屋はどんな設えなのだろうかという期待感が湧く。 「漁礁の間」 ![]() 「草丘の間」 ![]() 「星光の間」 ![]() 「清方の間」 ![]() ![]() ![]() いずれも「明かり」というコンセプトを踏まえたうえで、それぞれ異なった表現を見せており、百段階段という癖の強い空間でもまったく違和感なく収まっている。 これらの明かりたちを一堂にに集合させたスタッフの尽力には敬意を表したい。と共に、もっとたくさんの人たちに観ていただきたい展覧会だと思った。 宣伝方法等が今後の課題であろう。 ▲
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| 2015-07-17 22:30
| 展覧会・イベント
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世の中には様々な考えの人がいるし、職業柄不特定多数の人達と接しているので、極力政治的なことには触れないようにしてきたのだが、もうそんな気取ったことは言えない状況になってしまった。
5時半頃、地下鉄「永田町」から議事堂前に向かったが、近づくほどにデモ参加者が増え、議事堂前は身動きが取れないような状態。 ![]() ![]() 政党の代表者のスピーチ、香山リカさん、山口二郎さんのスピーチなどが続く。 若者達のグループ「SEALDs」のスピーチからは稚拙ながらも純粋さ、必死さが伝わってきた。 ![]() 立ち去り難い気持ちを振り切り8時半くらいに引き上げたが、まだまだ多くの人たちが異議申し立てをしていた。 ![]() ![]() 今回は給水車も完備。ありがたい。 ![]() 戦いは緒に就いたばかりだ。 中高年は無理をせず長期戦に備えよう。 若者の頑張りは嬉しく励みにもなるが、失速しないよう切に願う。 ▲
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| 2015-07-15 23:34
| 私は思う。(日々雑感)
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日曜日の朝、高崎駅を出発するSLは何度か紹介した。
SLに引かれる客車は時々によって使い分けられているようだ。 一番頻繁に見るのが青い客車で、これには古い車両と、それに似せて作られている比較的新しい車両とがある。青の古い車両は、夜行電車などで使われていたように記憶している。高校生の頃、山に行く時や京都に行った時の帰りの夜行列車もそれであった。 ブルートレインという呼称はこの辺りから付けられたものと推測する。 今日見たのはそれよりももう少し古いと思われる茶色い車両だ。 ![]() ![]() 座席は製造当時のものではないように思われるが、それでもそうとう古い。車両の脇に掛けられた運行区間を表示する琺瑯引きのプレートなどが懐かしい。 連結部に面したところに製造年の表示がある。(この表示、なんていうのだろう?) ![]() risiと同い年。現役っていうのが嬉しい。 少しばかり気になるのは、隣に「JR東日本」とある。製造当時はJNRだったはずだから、これは後付されたものであろう。 だから如何だという事でもないのだが、ちょっとした違和感を感じてしまった。 このテの客車は、30~40年前までは全国あちこちで使われていたと思う。 さすがに今ではこういった客車は姿を消しただろうが、この車両はここに来るまではどこかで走っていたのか、あるいは動態保存されていたのか、ともかく潰されないでよくぞ残ってくれた。 東京では真っ先に新型車両に取って代わられるが、山行やスキーで東北や北海道に行った折には随分と世話になった客車だ。30年くらい前にも東北のローカル線で、床が木製で、天井が高いかまぼこ型の客車に乗った記憶がある。 こんな客車を観ていると、一緒に山々を駆け巡った先輩や友人たち、折々の山の情景などがしみじみと懐かしく思い出される。 ▲
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| 2015-07-13 19:14
| 高崎物語
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テラ・アーツファクトリーの公演、岸田理生作の『恋 其之参』を拝見。
![]() テラ・アーツファクトリー座長で、今回の芝居の演出をしている林君は、大昔、私が芝居をしていた時の仲間。 学生時代よりず~っと演劇を続け、現在はテラ・・の座長を務めながら、某大学で講師を務めたり、ワークショップを開いたりしているようだ。 戯曲って全く読むことがないので、原作がどういうものかは知る由もないが、話の流れに無理がなく、役者さんたちもみなさん巧み。かつてのアングラ小劇場の芝居のような観念的な情景や言葉遊びのようなシーンもなく、抵抗なく観ることができた。また、大衆演劇的なエンターテインメントや幕間には身体表現のようなパフォーマンスも織り交ぜ、約1時間半、久々の「芝居」を楽しませていただいた。 開演中は撮影禁止なので、開演前の会場風景を。 ![]() それにしても、だ。 メジャーな演劇って料金が高すぎて、そうやすやすと観に行けない。ま、芝居にはお金がかかることは分かっているけれども、料金設定が度を越しているように思う。もちろん価値観は人それぞれだから、それでやって行けるのだからいいじゃない、と言われてしまえばそれまでの話なんだけれど。 そこへ行くと小劇場はよく頑張っている。入場料がメジャーの半分とか三分の一とか。なんだか申し訳ないような気分になってしまう。 なによりも芝居だけで食べている人なんて皆無だろうに、役者さんたちの熱い気持ちがモロに伝わってくる。 本日の公演を観て、小劇場、もっと応援したくなってきた。 ▲
by katabami03
| 2015-07-10 21:55
| 映画・演劇
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そこそこ話題の『海街diary』を観てきた。
第一印象で言えば「女優陣のすばらしさ!」この一言に尽きる。 四姉妹が四様のキャラクターを巧みに演じ切っている。樹木希林、大竹しのぶの両人は言わずもがな。風吹ジュンちゃんも安心安定。 ![]() 物語自体は誰にでもありそうな日常が淡々と綴られているだけで、たいそうな「ドラマ」が起こるわけでもない。 だが、他人から見れば「誰にでもありそうな日常」も当事者にとってみれば、その一つ一つが「大そうなドラマ」であるわけだ。 四姉妹を中心に描きながらも、登場するすべての人にもそれぞれに「ドラマ」がある。そのあたりをさりげなく描き出しているところにも全体の厚みを感じた。 一人一人がそれぞれに喜び、悲しみ、さまざまな懊悩を抱えながらもその人生を甘受し、キッパリと生きる。 これは静かな、けれども強い人間賛歌・・滋味深い名画だ。 ▲
by katabami03
| 2015-07-07 22:51
| 映画・演劇
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日曜日なのに仕事がないっていうのは久しぶり。こういうのって私が属する業界ではあまり有り難くない状態なのだが、最近は気にしませ~ん。
この命なにを齷齪 明日をのみ思いわずら・・・・いませ~ん。 人生の折り返し点はだいぶ前に過ぎているので、今更大きな野望欲望はないし、そんなことよりも後悔を残さない死にざまはどこらへんか、そっちの方が目下の課題。 ともあれ自由な一日、たまたま知人友人から展覧会のご案内をいただいている。この時期、それらの開催日時がかさなっているというのは奇跡的なことだ。 日頃の無沙汰のお詫び方々、今日は終日外回り。 まずは先日「花下侶」の展覧会があったあざみ野へ。 小原流東京支部・神奈川地区の花展 ~緑陰に遊ぶ~ を拝見。 小原流のエース、知地正和先生プロデュースとあって、見事な会場構成。 流派のはなや季をとらえたはなが並ぶ中、メリハリの効いた会場構成が見事だった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 森井先生の作品、そして知地先生監修の映像を加味した作品は会場内でも一際精彩を放っていた。 ![]() ![]() この日は予定では5か所、できれば6か所回りたいと思っていた。どういう道順で回ればよいのかあれこれ考えたのだが結局結論が出ず、とりあえず銀座線に乗る。 で、日本橋三越にて「丹羽シゲユキ 陶展」を拝見。 会場の写真がないのでDMにて・右上の葉書が丹羽さんのもの。 ![]() 2,3年前にたまたま拝見して、作品に一目ぼれ、小さいものを一ついただいたので、今回DMを送っていただいたのだろう。相変わらず丁寧な仕事ぶりを見せていた。 松屋銀座では瀬戸で共に焼き物修業をした武村君の個展を拝見。 ![]() 会場に本人がいたのでいろいろと話が尽きず、予想外に長居をしてしまった。 地下鉄の進行方向を間違えたりと、無駄足を踏みながらも次の目的地の国立新美術館にて、いけばな仲間が出品している「アート未来展」を拝見。 ![]() 最後に川口淳さんの個展を拝見。 今回は新作旧作織り交ぜての展示だったのだが、川口さんの展示というよりも、会場に合わせた展示構成といったほうが適切だと思う。 「館yakata游彩」外観。 ![]() 建物の中庭のような吹き抜け空間。川口さんの作品が常設されている。 ![]() 展示室は5,6坪だが二階には茶室もしつらえられている。 ![]() ![]() 川口さんとお会いするのも久々であったし、ギャラリー主をまじえての話も楽しく、ここでも予想外に長居をしてしまった。 地下鉄を何本乗り継いだことか、疲れたがとても楽しい一日だった。 ▲
by katabami03
| 2015-07-05 22:09
| 展覧会・イベント
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山形の今井さんからたくさんのさくらんぼが届いた。
私も家人もさくらんぼは大好きなのだが、今年は安いものを少し食べただけだったので、思いがけぬ贈り物に感謝感激。 ![]() 今井さんはグラフィックデザイナーで、以前、ウチの会の会報や諸々の刷り物などをお願いしていた。数年前に実家のある山形に越されたのだが、折々かの地の果物などをお送りいただいている。ひたすら感謝! 二つの箱にびっしりと詰められたさくらんぼ。大事大事に3回に分けていただいた。 ▲
by katabami03
| 2015-07-04 21:24
| 食べ物・飲み物
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