古流松應会の花展を拝見してきました。
先ずは家元、千羽理芳先生の作品、キャラ(伽羅)の受流し生け。
ゆったりとした曲線とどっしりとした安定感。力強くかつ典雅。
副家元、千羽理應先生とそのお社中によるカキツバタ(杜若)の「八橋生け」。
色紙に在原業平の歌が。
これは「伊勢物語」の「東下り」のなかに出てくる一節の中で詠まれている歌。
次のようなエピソードが書かれている。
業平の一行が三河の国八橋で休んでいる時にある人が、「かきつばたの五文字をことばの頭に入れて歌を詠め」という要望のこたえて、「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう」と詠んだ。その中に込められた望郷の想いに一行は涙し、(その涙で)干し飯が濡れてしまった。
今でも三河八橋には無量寿寺というお寺があり、そこに石の橋を渡した杜若の池がある。
10年くらいまえにそこを訪ねたことがあるが、時期が遅すぎて花はただの一つもなく、葉っぱだけの八橋を見てきた。相変わらずツメが甘いrisiです。
そのほかにも生花の佳作がたくさん出瓶されていた。
五つの花材を生け分けて。
毎年たくさんの水辺のものが。これはコウホネ(河骨)。
タイサンボク(泰山木)や苔の付いたボケ(木瓜)の生花。
こんな華やかな自由華もありました。
今年も楽しませていただきました。
松應会の先生方、有難うございました。