夜来の雨が上がり、桜が散り始め、緑が一段と色濃くなってきた。
雨水のいたずら。
家の近くに植木の畑があって、3,4年前に植えられた枝垂れ桜がかなり成長して、今年は連日花見をしているようなものだった。
刈り込みをしていないので、枝先が地面近くにまで垂れ下っていて、街で見かける枝垂れ桜とは一味違った風情があるのだが、昨夜の雨でこんな姿になっている。
5日ほど前はこんな感じだった。(写真左の木)
名残りの花を愛でたり、あたりを眺めたりとフラフラしていて、危うくバスに乗り遅れるところだった。
今日は池袋で雑用をこなしてから、外回りを4件。
まずは上野に行き、山口嘉民君からご案内いただいた「写実画壇展」を拝見。
山口君は学生の頃からの友人。ムサ美の油絵を首席卒業という輝かしい経歴の持ち主だ。
卒業後は実家のある上野原で制作を続けている。
今回の作品は、静物画と風景画を合体させたような、不思議な空気感をもった絵だった。
写実画壇といってもガチガチの写実ばかりではなく、スーパーレアリズム風のもの、印象派風のもの、フォーブ風のもの、はてはキュビズム風やイラスト風など、実にバラエティーに富んでいて、豊饒な写実の世界を堪能した。
そのまま坂を下って、上野と御徒町の間くらいにある瞻百堂(センビャクドウ)という画廊に、花の友達の日下麻美さんの作品を見に行く。
ここは7階建てビルが丸ごと画廊のアパートみたいになっていて、1階の部屋に全員の作品が展示されていて、他の12部屋でそれぞれ個展を開催しているという、珍しいグループ展(?)だ。
日下さんは川崎マミさんトコの先生なのだが、和紙を使った造形作品やランプを展示していたので、ちょっと意表を突かれる思いがした。
本人にお会いできたので伺ったところ、花よりもこういった作品の方が早くから手掛けていたとのことだった。
レストランなどの大きな明かりも手掛けているそうで、自然素材を通した、とても柔らかい光だった。
さて次は、2か月のロングランで開催されている、目黒雅叙園の「百段階段いけばな展」の3週目を見に行く。
正面入り口では池坊の重鎮、戸内敏先生の立花がお出迎え。
中は撮影禁止にて悪しからず。
その後、三軒茶屋キャロットタワーで開催されている日本華道院の花展を拝見。
家元である吉江先生の作品は衒いがなく、華やかな春の景を堪能した。
その後、もう少しやり残したことがあったので、再び池袋へ。
自宅から中央線で新宿へ出て、池袋→上野→目黒→渋谷→池袋→新宿→自宅と、山手線を一周以上してしまった。
勿論こんなことは初めて。
随分とJRに貢献した一日だった。