嵐のような五日間、いけばなインターナショナルアジア大会は無事終了した。
帰国まで一日半、ようやくのフリータイム。
インドは行きたいところが沢山あるが何せ広い。取り敢えず近場で回れる所を目いっぱい見て来よう。
まずはデリーの南約200キロにあるアグラ。ここにはかの有名なタージ・マハルがある。
アグラまでは以前はデコボコ道を5時間ほどかけて行ったそうだが、今は立派な高速道路が出来ていて、約2時間半で行くことができる。
タージ・マハル、先ずはその大きさに圧倒される。噂に違わぬ荘厳な美しさ。
遠目には真っ白い建物だが、近寄るといたるところ象嵌や彫りが施されている。
大理石保護のために、中に入るときはこんなものを履かされる。
ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、亡くなった王妃のために立てた霊廟だそうだが、余りにもお金をかけ過ぎて、ついには国の財政が傾いてしまったそうだ。
一人のおバカな皇帝がいたために、今こうしてこんなにも美しい、まさに世界遺産と呼ぶに値する歴史的建造物をみることができるわけだ。
ゆっくりと、時間をかけて再訪したいところである。
その後はアグラのもう一つの見所である「アグラ城」を回る。
歴代皇帝が暮らした城とのことだが、ここもまた贅を尽くした造りだ。
天井の一部にはいまだに金箔が残る。
アグラ城からタージ・マハルを望む。
アグラ城で一人の日本人バッグパッカーに出会う。
山梨から来たというその若者はインドに来てから一カ月放浪中で、案の定おなかの調子が悪いらしい。
差し出したリッツを旨そうに頬張っていた。
若いころ、一時期インドに憧れたことがあったが、この混沌の大地に飛び込む勇気もなく、結局あれこれ理由を付けて年を重ねてしまった。
サンダル履きに無精ひげの若者の姿は清々しく、キラキラ輝いて見えた。