自動車の免許証の更新で府中の試験場に行って来た。
府中といっても最寄りの駅は中央線の武蔵小金井。
武蔵小金井の駅は高架化に伴って随分変わった。特に南口の駅前はロータリーが広くなり、道路も拡張されたようだ。
写真右側の高架下の道は以前は踏切だったところ。朝の通勤時間帯は開かずの踏切で有名だったところで、ここを通る道は朝の一時、バス専用になっていた。そのため車で線路を越すときは別の踏切にまわらなければならなかった。数年前、一本新宿寄りの踏切で、そこを越すのに30分くらいかかったことがあった。
高校時代、この近くに親しい友人が住んでいて、度々泊りに来ていた。懐かしくて、試験場からの帰路は歩いて帰ることにした。
試験場の裏にある試験(講習)コース。桜の紅葉が始まっている。
隣接した武蔵野公園。休日はBBQなど楽しむ人もいるとのことだが、平日の昼時で人影もまばら。
この辺りには、大昔多摩川によってつくられた河岸段丘があり「国分寺崖線(こくぶんじがいせん)」と呼ばれている。その崖線から染み出した水が集まってできた、野川という小さな川が流れている。
崖線の下端に沿って「はけの道」という道があって、高校生の頃は、夜、肝試しに来たほどの怖いほど淋しいところだった。
はけの道近くから見る武蔵野公園。
昔に比べると家も増えたけれど、いまだに昔のままのようなところもある。左側は崖面の鬱蒼とした樹林。
所々にある坂道も、いわく因縁があるようで、いろいろと名前が付いていたりする。
崖線から染み出す流れ。マンションの建設などで涸れてしまった流れもある、と聞く。
はけの道沿いに小さな美術館があった。
中村研一という画家の自宅だったところを美術館にしたとのこと。
急ぐ用事もないことなので、一寸覗いてみる。
一階では笹岡了一という画家の絵が展示されていた。色調はあかるくても、どことなく暗い絵が多かったなあ。
駅に近づくにつれて淋しさは消え失せ、崖面まで家々で埋め尽くされるようになると、もう駅も近い。
免許証の更新は煩わしかったが、その後は良い気分転換になった。