オリエンタルハイブリッド。

いつものバス停前の空き地、夏草が誰はばかることなく奔放に生い茂っている。その中に、しばらく見なかったら鉄砲百合が咲いている。
山間では時折姥ユリが周囲の草に絡み付かれながら咲いている光景を目にすることがある。
鉄砲百合はどちらかというと清楚なイメージの花だが、これはなんと逞しく野趣あふれる姿。
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以前は百合と言えば鉄砲百合が主流であったが、20~30年くらい前にカサブランカが出現してからというもの、すっかり脇に追いやられた感がある。鉄砲百合の楚々とした姿も捨てがた趣があるが、花の大きさや華やかさと言った点ではカサブランカに軍配が上がるのも致し方なかろう。

そのカサブランカもさらに改良されて、今では赤やピンク系など様々な色合いのものが出回っている。これらはオリエンタルハイブリッドと呼ばれているが、元はと言えば我が国の山百合が品種改良されたものだ。

奥多摩、軍畑駅近くに咲く山百合。
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山百合の球根は明治時代には重要な輸出品の一つであったことは以前に記したか。
山百合の美しさに、多くの西洋人が心を奪われたことであろう。

思わぬ鉄砲百合の出現にいろいろと想いを巡らすのも楽しいものだ。
by katabami03 | 2010-08-19 23:37 | 草花
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