平泉を巡った日の晩は一関に泊った。
翌日は一関から東方に、三陸海岸に向かってのびる「大船渡線」というローカル鉄道に乗る。
二両編成のディーゼルのワンマンカー。途中の駅はほとんどが無人駅。
フカヒレで有名な気仙沼までは1時間20分ほど。
気仙沼からは南下する気仙沼線に乗り換える。これも二両編成のワンマンカー。
途中駅・うたつ=歌津、ここも無人駅だがいい名前の街だ。
リアス式海岸というのは海がギザギザに切れ込んでいる形をしているが、その湾の中に、さらにいくつもの小さな湾があるという複雑な海岸線を形作っている。
その小さな湾にも、まるでマイ漁港とでもいうような小さな港があるのが面白かった。
そんな海岸線を走りながら、列車は気仙沼から約30分で志津川という駅に着く。
殺風景な駅前だが、こんなものが。
駅は海岸から15分くらい内陸にはいっているのだが、ここでもこんなに高く津波が押し寄せたのか。
タコがあちこちに。
魚屋にもタコ。
ホヤやホタテガイがめちゃくちゃ安い。殻付き牡蠣も安っ!この季節でも生食できるそうだ。
水槽を覗くと5,60センチのヒラメが折り重なっている。
志津川湾の湾奥に位置する漁港の周囲は3,4メートルの防潮堤が築かれている。
漁港入口は要塞のようだ。
志津川港
これは何?
近くにいた漁師さんに聞いたら、錨(イカリ)にするのだという。
こんなのもある。
これは船の錨というよりも、牡蠣の養殖用かな?
牡蠣の養殖はこのようにホタテの殻をつなげたものを使うのだそうだ。
港から5分ほどのところにある公園のなかになぜかモアイ像が立っている。
説明書きによると、昭和35年に起きたチリ地震の際に三陸海岸一帯は津波が押し寄せ、甚大な被害を被ったそうだ。それが縁でチリと友好関係がうまれ、このモアイ像が寄贈されたとのこと。
頭の裏を見ると・・・。
やっぱり宇宙人が作ったのかなあ。
モアイの近くにもコレがあった。
街中にはこんな標識も。
この後20分ばかり内陸に入ったところにある鎌倉時代に建立されたという古刹「大雄寺」を訪ねる。
参道の杉は300年をこえるものもあるという。
山門と鐘楼
きれいに掃き清められた境内と本堂。
ここで一休みしてから帰路についた。
志津川のマンホールの蓋。周囲に魚介類、真ん中にモアイ。
帰りは気仙沼線、東北本線と乗り継いで仙台に戻る。
湾内一帯を埋める牡蠣の養殖いかだ。
本当は釜石とか宮古とかといった、もっとディープな陸中海岸を訪ねたかったのだが、仙台のデパートに花を出しっぱなしにしてきてあるので、そういつまでも放っておくわけにもいかない。
今回はさわり、ということで再来を期して三陸海岸を後にした。