何日か前にFさんからのお知らせで聞いていた「所沢ビエンナーレ」を見てきた。
昨年にプレ展示があったそうだが、今回が第一回目。
時流の流れで、これもまた現代アートの展覧会だ。
場所は所沢駅のすぐ近く、よくぞこんな広い場所が残されていたものだ、と思うほど広大な「西武線旧車両工場跡」。
作品の7,8割はいわゆる「難解」な現代美術だ。そんななかでもリシノメ的ワッチをいくつかご紹介。
広大な車両工場跡。
これらはごく一部だが、その他の多くは正直なところ、感じるものが少なかった。
まあ、アートというのはある意味、突き詰めれば自己完結の世界、悪く言えば究極の自己満足の世界でもあるのだから、この展示物の多くは正直な、良心的な作品ともいえるのだろう。
それよりも、この会場が素晴らしくインパクトのある空間だった。
西武線は小中学校の遠足、高校時代の通学、所帯を持ったのも西武沿線と、お世話になって半世紀。その数々の思いが詰まった電車がここで点検、修理、補修を受けていたかと思うと感慨ひとしお。
文化遺産になるほどのものではないのだろうが、中に入ったときの機械油のにおいや、つい最近まで作業が行われていたと思える痕跡がそこここに伺えて、美術展とは別のどこか懐かしさを覚える「昭和の臭い」のする空間だった。