カテゴリ:旅・山( 111 )

もう来ることはないと思っていた。

およそ一か月半くらい前になるが、昔の山仲間の間でやり取りしているメールに、北アルプス山行の予定が書き込まれていた。それは、表銀座から槍ヶ岳~穂高岳縦走というなんとも羨ましい計画だった。
時々山行計画がアップされていたが、大概は休みが合わず今回もどうせダメだろうと思いながら日程をよく見ると、表銀座は無理だが最後の穂高2日間は合流することが可能ではないか。
急いでその旨返信し、準備に取り掛かった。

予定では、本隊は17日から山に入り表銀座縦走。20日北穂高岳(以下北穂)、21日に新穂高温泉に下山。私は18日の夜行バスにて上高地入り。20日に北穂にて本隊合流、という予定を組んだ。

今年は春先に体調を崩し、回復するころは展覧会で忙しく、その後は夏の暑さがピーク。ろくに運動をしていなかったが、本隊のブレーキにならないように急ごしらえのトレーニングを開始した。
ところが予定日近づくころ台風が接近、17,18日が狙いすましたように本州縦断ということになった。
本隊は、表銀座は早々に諦めていたがぎりぎりまで槍~穂を狙っていた。しかし増水で通れない箇所があるとの情報で、結局私より一日早く涸沢入りということになった。


さて18日。
昼過ぎまで仕事をしてから自宅への帰りがけに、山中での朝食や行動食を買い出し。荷物をまとめて夕食を済ませてから東京駅のバスターミナルへ。
平日なのですいているかと思ったが、上高地行きのバスは満席。午後10:40東京を出発した。

19日午前5:30周囲がまだ薄暗い中、上高地バスターミナルに到着。
寒い中を荷物をまとめて歩き始めるころ、徐々に周囲が明るくなってくる。

梓川と奥穂高岳(以下奥穂)から西穂高岳(以下西穂)へと続く稜線
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西穂の稜線
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河童橋から見る奥穂
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上高地から横尾までは平たんな道をおよそ3時間。
途中の徳澤付近から前穂方面を望む。
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横尾は中学から高校にかけての3年間、毎夏河原にテントを張って、ここから槍ヶ岳(以下槍)と奥穂に往復していたところだ。
横尾山荘はその当時から風呂や個室が備わっていた山小屋だが、立派な小屋に替わっていて、山荘以外の建築物も何棟か建っていて賑やかだ。
涸沢に向かう橋はこれも立派な吊り橋ができていて驚いた。
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横尾からは本格的な山道になる。
1時間半ほど登ると、ロッククライマーの道場「屏風岩」が見えてくる。そこを周り込むようにしながら高度を稼ぐ。
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急な道をさらに一時間ほど登ると谷が開け奥穂が眼前に全貌を表わす。
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睡眠不足にはこたえる階段状の登りをひと喘ぎしてようやく涸沢に到着。
今夜の宿は涸沢小屋。涸沢から北穂や奥穂に向かう少し高いところに建っている。

小屋のテラスから、涸沢ヒュッテとテントサイト、涸沢の万年雪を見おろす。
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小屋には12:15到着。ゆっくり歩いてきたがそれでも少し早すぎた。とはいえ寝不足なのでこれ以上歩く気はしない。
小屋の受付で本隊のことを聞くと、早い時間に北穂に向かったという事だった。
受付を済ませて大部屋の布団に横たわると、知らぬ間に寝入っていた。
二時間ほどしてから起きて、テラスでコーヒーを飲みながら本隊の下山を待つ。

テラスから見上げる前穂と前穂北尾根
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日が陰って寒くなってきたので小屋に入りしばらくするうちに本隊のメンバー4人が下山してきた。
再会と明日の登頂を祈って祝杯をあげ、夕食後は早々に就寝した。

9月20日午前4:40起床。朝食を済ませ、身支度を整えて5:30出発。
天気は曇りだが風も弱く、小屋の位置、2350mの高さにしては寒くない。
徐々に明るくなる中を順調に歩を進める。

ザイテングラード(奥穂への登山道)途中から見る北穂
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7:50稜線上にある穂高岳山荘に到着。涸沢側はほとんど風がなかったが、飛騨側からは強い風が吹いていて寒い。ここで小休止、各自携帯食などを補給して出発。

穂高岳山荘前から見る奥穂への登り
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終始強い風に吹かれる中、9:15奥穂山頂に到着。およそ40年ぶりの山頂で感慨もひとしおであるが、風が強く、じっとしているととにかく寒い。郷愁に浸る間もなく、とりあえず記念撮影だけ撮って先へ進む。
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奥穂山頂付近から槍を望む
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時々吹き倒されそうになるような強風の中を前穂に向かう。振り返ると奥穂山頂付近ではガスが出始めている。
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11時を少し過ぎたころに前穂山頂直下の紀美子平に到着。ここに荷物を置いて、から身で登れば山頂までは30分足らずなのだが、時々吹き倒されそうになるほどの強風の上ガスがかかり始めている。山頂に行っても眺望も得られないだろう。全員以前に登頂していることもあり無理せず下山しようということになった。
2時頃に宿泊予定の岳沢ヒュッテに到着したが、その夜は「予約がいっぱいで5人は厳しい。できる事なら下山してほしい」と言われて、止む無く上高地に向かう。
ここで終わり。やっと靴が脱げる、と思っているところに、再び歩くというのは精神的にも肉体的にもかなり厳しいものがある。
まあ、そうこうしながらも無事に下山。
いろいろあったが、終わってみれば実に充実した二日間であった。




by katabami03 | 2017-09-22 21:37 | 旅・山 | Comments(3)

雨中の尾瀬。

子どもたちも手から離れどこかに遊びに連れていく必要もなくなった。そんなこんなで今年の盆休みは家でダラダラと過ごしているうちにいつの間にか終わってしまった。とはいえやはりリフレッシュは必要。尾瀬一泊の旅に出かける。
尾瀬には若いころ数度行っているが、雪のない時期というのはなんと今回が初めて。ということで今回は山には登らず、沼と原を散策してくることにした。
東京方面から尾瀬沼に入る最短路の大清水からはいることにする。
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三平峠まではしばしの登り。登り始めて間もなく雨が降り始める。樹林帯の中でもあるし、カッパを着るほどのこともない。この日の東京の予想気温は35度。ひと汗かいて三平峠に到着。ここからは15分ほど下れば尾瀬沼だ。
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相変らずの小雨模様のなか、三平下からは木道や石が敷かれた平坦な道を20分ほどで今夜の宿「尾瀬沼ヒュッテ」に到着。
尾瀬の宿は風呂付が多いと聞くが、この宿にも山小屋とは思えぬような風呂があった。
環境保護のため石鹸シャンプーは使用禁止だが、汗を流せるだけでも十分ありがたい。

早めの夕食後は近くの大江湿原に散歩に行く。
ニッコウキスゲはもう終わっていたが、それでも数種の花が咲いている。尾瀬は本当に花の多いところなんだなあ。
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オタカラコウ
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コオニユリ
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サワギキョウ
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オゼミズギク
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これはニッコウキスゲの実
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翌朝目覚めると雨の音がする。予報ではこの日から晴れるはずだったのに・・・。
小屋の情報でも終日降ったり止んだりとのこと。
そんなわけで、雨脚が弱まるときを見計らって下山することにした。

雨に煙る尾瀬沼。
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復路見かけた花など。

トリカブト
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ゴゼンタチバナの実
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オゼヌマアザミ
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ヒメシャジン
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若干消化不良ではあったが、雨の中を歩くのは嫌いではない。
久々の雨中歩行で頭をすっかりカラッポにして帰ってきた。



by katabami03 | 2017-08-26 10:12 | 旅・山 | Comments(4)

やっと一息。

走らない師走。ちょっと余裕ができた。

昨日から次男が家にいるので、釣りにでも行こうかということになった。
家を出たときはすでに9時半を過ぎている。まあちょっとした気分直しなので急ぐこともない。
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子どもたちが小さいころから度々行っている三崎巷。
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途中事故渋滞などもあり、釣り場に着き竿を出したのは1時半近かった。ここは爆釣はないもののそこそこの釣果は期待できるので保険みたいなところ。気分転換には手ごろなところだ。

今日は冬至だそうな。それにしても暖かで風もなく、絶好の釣り日和だった。
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4時半頃にはもう日没。3時間ほどの釣りだったがハゼなどが二人で17,8匹。まずまずってところかな。
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釣ってきた魚は自分でさばくのが釣り人のマナーだが、今日は息子がさばいてくれた。
から揚げにしておいしくいただきました。
by katabami03 | 2016-12-21 22:52 | 旅・山 | Comments(2)

空よ。

最近、所用で飛行機を利用する機会が多い。
座席を予約するときは、以前だったら通路側を選んでいたのだが、このところは窓側をお願いしている。

長距離の場合は、トイレや後ろで軽いストレッチなどするのに便利な通路側に限る。窓側の座席は隅に押し込められたような感じがするし、3人掛けや4人掛けの内側の座席に至っては、後半なんぞまるで拷問にあっているような感じだ。
・・・で、窓側の席で何をしているのかというと・・、外を見る。
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これも以前の話になるが、飛行機に乗るときは大体映画を見たり落語を聞いたりしていた。映画は、途中で食事やお茶が出てきても気にせずに済むエンタメ系。
しかし運行距離が短い場合はあまり好ましくない。
人情話の途中で「当機はただいま云々」なんてアナウンスが入ったりするとちょっとほっといてくれませんか、なんて気になるし、映画の場合は上映時間に注意しないと、クライマックスの一番いいところで目的地に着いてしまったりする。
たかが時間つぶしと思ってみても、そこはかとない残念感に包まれたりする。

まあそんなわけで、近場の場合は窓側の席が楽しい。
時々ほかの飛行機とすれ違うことがあるが、瞬く間にすれ違っていく。すごいスピードで飛んでいるのを実感する瞬間だ。
下が見えるときは下を観察する。そこには日本地図と同じ形をした半島や島が見える。雲が出ている時は雲を見る。筋雲であったり綿雲であったり、あるいは雷雲であったり。
空の色も、朝昼夕、その運行時間によってさまざまだ。可能ならばその空の匂いを嗅いでみたい。
宇宙というのはどこからが宇宙なのか知らないけれど、ジェット機というのは宇宙との境界のちょっと下あたりを飛んでいるのだろうか。こうなると一度宇宙から地球を眺めてみたいものだと思ったりもする。
まあそんなことを想いながら外を見ているわけだ。

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しっかしまあ、首が痛くなるのには閉口するが・・・。
by katabami03 | 2016-12-09 18:49 | 旅・山 | Comments(2)

上海の旅ー7

こうしてあわただしい中にも充実した二日間の花展は終わった。
折角上海まで来てすぐに帰るのはもったいないので、翌日はしばし上海の市内観光。

すでに一度来た「新天地」をこの日はゆっくりと見物する。
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中国共産党ができた当初ここで第一回目の会合が開かれたそうで、その建物が記念館のような形で保存されている。
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ここでの会合は秘密裏に行われたものであろうが、あえてこういう場所を選んだというのは、みごとに時の政府の裏をかいたという事だろう。
それにしても見学者が思いのほか少ない。私たちがあたりで写真を撮ったりしている間でも、わずかに一人か二人の出入りがあっただけだ。数十年前なら見学者が後を絶たなかっただろう。ほとんど資本主義社会のように変貌した現在、中国人にとってはもはや興味の対象外ということなのか。

上海は西安などの古都と違って歴史的建造物などが少ないが、そんな中にも豫園(ヨエン)という古い庭園がある。私たちが訪ねたときはすでに閉演時間となっており中に入れなかったので、前庭のようになっている池を巡ったり、そこから続く土産物店などを徘徊する。
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土産物屋や飲食店が軒を連ね、雰囲気は浅草のような感じ。
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漢方薬の専門店は興味津々。
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その晩には上海の夜景も見物。
イギリス租界だったあたりは川沿いにモニュメンタルな建物が並んでいて、夜にはライトアップされている。
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35年前の中国の旅では上海が最終地で、ここの建物の一つが中国の物産、土産物を売っているデパートのようになっていた。当時、旅行者は中国人一般が使う人民元とは異なる兌換券をつかって買い物をした。この川沿いの通りは大勢の人が歩いていて、私たちもこの通りを歩き、川岸で写真を撮ったりした。
道路から直接川を見ることができたのだが、どうも当時と様子が違う。聞けば道路を拡張し、堤防をかさ上げしてその上を遊歩道にしているとのことだった。
堤防の上に上がってみると対岸には色とりどりにライトアップされた夜景が広がっていた。
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日本から上海まではおよそ3時間ほどではあるが、その3時間に加えること35年、時の流れをしみじみとかみしめる上海の旅であった。



  -終わり-
by katabami03 | 2016-11-08 22:08 | 旅・山 | Comments(0)

上海の旅ー6

いろいろあったものの、ようやく展覧会初日にこぎつけた。
開場は11時を予定しているが早めに会場に向かう。取りあえず最上階の室に花を生けねば。

展示台は屋上にあったプラスチック製のテーブルを白布でくるんでの急ごしらえ。器は草月の田島さんから借用。ストック場に残っている花材の中から、パンパス、ヤシの葉、ストレリチアなどを取り出し、サクットとこんな感じの花を生ける。
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オープニングには主賓として、上海のいけばな関係のお歴々や企業の方がお見えになりテープカット。
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かつて中国を旅した時の記憶では、行く先々で必ず政府の人か役人なのか、偉そうな人が来て挨拶に立たれたので今回もそう言った人がお見えになるのかと思っていたが、そのテの人は皆無。
当時は旅行中どこに行ってもなんとなくどこかで監視されているような気がしてならなかったが、今の中国ではそのようなことは全く無く、とても社会主義の国とは思えないような変わりようだ。

花展会場には終日大勢の観客が詰め掛けていた。数日前の下見の折にはほとんど人影など見られなかったところだというのに、ここの館長さんも驚くほどの来客数だったようだ。
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その日の晩にはホテルで祝宴が開催された。
オープニングの時にいらした来賓の方々と楽しく歓談。途中には中国の伝統歌曲、空手や太極拳、チャイナドレス愛好会の御婦人方によるファッションショーなどのアトラクションも交えてつつがなく終了した。
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[ 花展会場の花 ]
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花展二日目、この朝も船の警笛で起こされる。
ここについて当初はほとんどの船が川を遡っていたが、昨日あたりから石炭や砂利のようなものを満載した大小の船が次々と下ってくる。
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完全な一方通行ではないようだが、遡る日(曜日?)と下る日が決まっているのだろうか。それにしても、よく転覆しないなと思うくらい荷を満載している。川だからこんなことができるのだろうな。
後日、からの船と満載の船とが行き違うのを見た。ご覧の通り。
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さて、花展会場。
この日の午後には1階の特設会場にて森井先生のデモンストレーションが行われる。

小原流の花の大作を3態生けあげるが、その手際の良さと花姿に会場からは惜しみない拍手が送られていた。
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小休憩をはさんで私もミニデモ。短時間だったので実際に花を生けることはせず、今回は草物や枝を矯めるテクニックをお見せする。くさび矯めはどこに行っても大うけだ。
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続いてワークショップ。
30人ほどの受講者がいて、初心者かと思ったら皆さん経験者でとても上手に花を生けるのでこれは楽をさせてもらった。
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その後は特にすることもなく会場をぶらぶらしていたら、リリーさんからちょっと観光に行こうとお誘いを受けた。
案内されて地下鉄に乗る。
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地下鉄の改札口ではどこでも荷物チェックをうけるが、それ以外は日本と大差はない。県はカード式。きれいだし治安も良い。
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「新天地」という駅で降りるととても賑やかな繁華街で、その先に、大戦前まではフランス租界だったところがある。
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建物の外観は残して、中は多くはレストランなどの飲食関係の店になっている。
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フランスの地方の街のようでありながら、どことなく中国風でもある不思議な雰囲気の、落ち着きのあるいい街になっている。

晩にはリーロンさんの御主人の幼馴染だという、趙さんという方のおたくに伺って食事をごちそうになる。
趙さんの家は上海市街のど真ん中にあるが、再開発のために一帯がきれいに取り壊されたなかにポツネンと残っている。市内には古い民家はほとんど見られない中、このいえに入れたのは貴重な思い出となった。
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趙さんは祖父の代からの骨董商とのこと。文化大革命のときに収蔵品約3万点が没収されたが、その後2万点ほどは返してくれたとのこと。まだ1万点返してもらっていないので強気でいのこっているとのことだった。
友人知人をよんで毎晩宴会を開いているらしい。中国人は家族や一族を大事にすると聞くが、私たちのような通りすがりの者にまで酒食をふるまってくれるとは、いったいどういう人なのだろう。
この晩は上海ガニや上海の家庭料理をごちそうになった。
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趙さんの家は宝の山だ。でもここにあるものは大したものではなく、本当にいいものは奥にあるとのことだった。
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by katabami03 | 2016-10-31 21:13 | 旅・山 | Comments(2)

上海の旅ー5

花展会場の一番奥まったところは建物の最上階にあたる20坪ほどのフラットな空間で採光も良い。主催のリーロンさんの計画ではここを控室にするという事だったが、控室にすえるには惜しいということで、予定を変更してここにも花を展示することになった。
この室の隅の一角を花材のストック置き場にすることになったので、ありあわせのものと余った花材で目隠し(間仕切り)を作る。
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初めは順調だったが、風で倒れたり、カッターナイフで折り目を付けた部分が割れてしまったりと、予想外に手間取ったもののどうにか、こんなものになった。
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こんなことをしているうちに半日が潰れてしまった。
今回は小原流の花展であるが、上海在住の他流の二名、元イケバナインターナショナル(I.I.)会長で、上海I.I.支部を立ち上げた一葉式いけばなのリリーさんと、草月流のマーク田島さん、そして東京から参加する日新流の佐藤寿新さんが賛助出品される。
私は出品予定はなかったのだが、そのような事情から目隠し意外にもう一作生ける事になった。しかしもう夜になっていて時間もあまりなく、なんだか消耗してしまって花を生ける気にもなれなかったので翌朝に生ける事にした。
by katabami03 | 2016-10-26 21:53 | 旅・山 | Comments(0)

上海の旅ー4

花市場の建物内には間口が半間くらいから、大きくてもせいぜい二間くらいの店がひしめき合うように並んでいる。
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ここで入手できる花材は草ものの花や葉が主で枝物は見当たらない。いけばながまだ一般的でない中国では枝物の入手は不可能かと思ったが、朝早い時間に店舗を持たず車に荷を積んで持ち込む業者の中には枝物を見かけることがあると聞きつけた。
そのようなわけで翌朝は少し早めに花市場に向かったのだが、運悪く朝のラッシュに引っかかり、市場に到着した時にはほとんどの車が引き上げた後だった。それでも残っている業者の荷の中から雪柳と枝振りの良い木蓮を数本確保できたのは収穫だった。
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午後は会場に戻り、デモをやる場所の再検討やリハーサルを行う。
いけばな展の会場に上がるとすでに展示台が置かれていたが、会場の床に傾斜がついているのに、台には高低差がつけられていない。下についているネジで調節できるというので調整を試みたが、水平になるほどの調節機能はなかった。しばらくあれこれと検討するものの埒が明かず、結局翌日までに業者が何とかするという事で宿に引き上げた。

翌朝になって会場に行くと、あらビックリ。台は昨夜とほとんど変わらず。結局台の下に板切れをかませたり、設置場所を変えたりしてようやく生け込みの準備ができた。
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生け込みの光景は日本も中国も変わりない。ただこちらは殺気立った様相はなく、皆あれこれ考えながらも実に楽しそうだ。
花を生ける喜びは万国共通。
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by katabami03 | 2016-10-15 23:12 | 旅・山 | Comments(0)

上海の旅ー3

早朝(5時くらいだったか)にすさまじい船の警笛に起こされる。
港町に投宿した折など、遠く船の警笛が聞こえてくるとそこはかとない旅情を感じたりもするが、これはそんな悠長なことは言っていられない音量だ。
眼下に川を見おろす素晴らしいロケーションではあるが、ちょっと想定外の出来事だった。見ればすぐそばに渡船場があり、朝の通勤時間なのだろうか、渡し船が頻繁に川を横切っている。そこに上流下流に往来する船が交差するわけだから、ここは川の要衝でもあるわけだ。
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この朝には幾艘もの空の船がとどまることなく上流に向かっていた。
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朝食を済ませてしばらく後、迎えの車に乗って花市場へ向かう。
ホテルから花市場までは40分ほどの距離。一般道や自動車専用道路を通って向かうのだが、その間、街の雰囲気に多少の違いはあるものの、高層ビルや高層アパートが延々と続く。20階建て以上の建物の数はニューヨークを抜いたそうで、改めてこの町の大きさを実感する。

花市場の建物は以前は何かの遊興施設だったのだろうか、昔日本にもあった劇場か何かのような外観だ。

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二つの棟に分かれており、手前の建物の1階部分には生の花を扱っている店が入っていて、2階3階は花にかかわりのある様々なものを扱っている店が入っている。

1階の入り口近く。ここの店舗はどこも小奇麗だ。
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エレベーターがあるけれど動いていない。
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2階3階の店舗。
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梅やクヌギのような木があって、大きめのいけばなを生けるには程よい素材だと思ったが、これらはイミテーションを作るための土台にするためのもののようだった。
木にドリルで穴をあけて、そこに造花の花を挿して花盛りの木を作るといった塩梅だ。
これは造花の松の木を作っているところ。
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奥の建物は生の花を扱っている。
中に入ると独特の匂いが漂っている。植物の匂いに何かがちょっとすえたような匂いが入り混じったような感じだろうか。耐え切れぬような不快な匂いではないのだが、慣れるまでにはちょっと時間がかかった。
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日本の花市場もしくは花屋しか知らないと、ここの花の扱い方の乱雑さには少なからぬ衝撃を受けると思うが、私が知っているところでいえば、香港とは似たり寄ったり。まああそこも中国だものね。インドに比べれば少しはいいかなといった程度。これらに比べれば日本の花はまるでお姫様扱いだね。ともあれ、花市場はどこに行っても楽しく興奮する場所だ。

その後、花展会場の下見に行く。
会場は2010年に上海万博が行われた折のフランス館だったところで、現在は美術館として使われている。
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最上階は4階だが、フロアは緩いスロープのようになっていて、建物のなかに中空のような部分があり、その周りをまわるようにスロープを降りていくと次第に階下に下っていくような構造。

3階、厳密にいうと3,5階~2,5階部分?では映像作家の展示、2階部分では現代美術の作家の個展が開催されていた。
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会場下見の後にデモンストレーションやアワークショップをどこでやるかなどを検討、明日からの決戦に備えてこの日は早めに就寝した。
by katabami03 | 2016-10-14 22:00 | 旅・山 | Comments(0)

上海の旅ー2

上海の空港に着いたのは午後も遅い時間だったので一度ホテルに入り一休み。
宿は何とインターコンチネンタル!ロビーには数か所の花が飾られている。なかなかセンスのいいフラワーデザイナーだな。

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上海は長江(揚子江)支流の黄浦江に沿って開けている。
ホテルの部屋からは上海の中心部が一望のもとに。黄浦江には様々な大きさの荷物船や渡し船が行き来している。この日から毎日、朝な夕なに船の運行を眺めるのが日課となった。

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上海市の人口は2500万人くらいとのこと。日本の全人口の4分の1か5分の1くらいがここに居住しているわけだから、いかに巨大な都市かということが知れよう。
以前は川沿いに港や工場などがあったそうだが、それらしきものは全く見当たらない。港は下流に、工場も郊外に移転したということだ。一気にそういう事が出来てしまうというのも中国だからできる事だろう。いかにもって感じ。

夕刻に、今回の展覧会の主催者の一人で、小原流上海東方スタディーグループを立ち上げたリーロンさんが迎えに来た。リーロンさんは國學院大學に留学していたそうで日本語は堪能。言葉の心配がないというのは実に気が楽なものだ。
車で20分ほどのところにあるショッピングモールのようなところの一角にあるレストランで夕食をいただき、その後そこから徒歩でリーロンさんの家に向かい、展覧会の花器を選ぶ。

巨大なショッピングモールの外壁に映し出される映像。ネオンなど皆無の35年前の上海の薄暗い夜を思うとまさに浦島太郎状態。じつはここはまだまだ小さいほうで、このようなモールがそこいらじゅうにあるのだった。

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広場の出口付近には玩具などを売る露店が出ていた。ちょっと香港っぽい。こういうのを見ると何となくホッとする。
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リーロンさんの家で花器選び。

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こうして第一日目は終わった。
by katabami03 | 2016-10-08 21:56 | 旅・山 | Comments(2)