カテゴリ:いけばな( 93 )

うまくなりたい!

はたと気づけば一月も半分過ぎてしまった。
昨年の総括をしていなかったのであらためて反省することにしよう。

まずは新春第一弾、古流協会展。
d0117565_22361663.jpg
昨年の協会展は最悪だった。
前年の12月ころから体調不良で、何をするにも体が重く、気力体力共に絶不調。展覧会直前まで制作意欲がわかず、開催ギリギリになって球体を作り上げた。前年の秋口に確保しておいた松の古木を活用し、作品的にはどうにかまとめることが出来た。
会期後の検査で判明したのだが、体の不調は自己免疫性肝炎ということだった。肝腎かなめというが、気力がわかない状態というのは本当につらいものだ。お酒も注意しないとね。

3月には恒例の「いけばな協会展」。こちらでは毎年生花を生けることに決めている。
d0117565_12320376.jpg
牡丹籠(ボタンカゴ)に木瓜(ボケ)を生ける。
牡丹籠は大蔓籠とも呼ばれ、大きく弧を描いた蔓とその中に行けられたはなとの間合いが好ましい。春らしくあでやかに生けることが出来た。
この牡丹籠は大振りなのだが花席の大きさにぴったりのサイズなので、この花展ではたびたび使用している。

5月には日本いけばな芸術協会の創立50周年記念花展が開かれた。
d0117565_12513851.jpg
当初は生花を生ける予定で花屋に注文したところ、届いた花材を見ると枝振りが生花に向かないものだったので急遽自由花に変更。色彩的なインパクトを強調するために深紅の芍薬を入れたのだが、半分ほどは莟のまま会期終了、悲しかったなあ。
そもそも生花を生けるつもりだったわけだ。「花は足で生けろ」と言われる。自分で材料を見極めて切り出すのがベストだということのたとえだが、自分で足を運んで花材を見極めるなどこの忙しい時世になかなか出来ることではない。ついつい花屋任せにしてしまうが、ときにこういう結果になってしまう。これもまた大きな反省材料。

さて6月。10年来の懸案であった横浜バンカートでの展覧会が実現した。
(写真は後ほどアップします。)
この展覧会は仕掛け人として何が何でも開催して、やりきることを最大目標としていたために、自身の作品は二の次三の次。じっくりと構想を練るような状態ではなかったため過去の作品のバリエーションを作成した。
幸いにも出品者一同期待に応える佳作を発表、多大な反響を得ることが出来た。

自分の中では、昨年もっとも気力体力ともに充実して作品制作が出来た展覧会が「東北震災復興支援・つなげようはなのこころ」展だ。
d0117565_13164920.jpg
作品コンセプトはタイトルの「鎮魂譜ー2」そのまま、すなわち鎮魂。
「鎮魂譜」という作品を3年前の同展で発表していたため「ー2」となった次第。
ドームの中は彼岸と此岸の接点。祈りの場であり、かの震災を改めて心に刻み付ける場とした。
中に3つ設置した水盤の中はすべて赤バラがいいのではないかという意見を何人かの方からいただいた。諸々の意味でその方がインパクトはあるので私も当初迷ったのだが、大水盤は彼岸の情景ということであえて甘い花畑をつくった。対して赤バラは私にとっては生の象徴。来場者に散華していただくようにした。

さて11月、恒例の「いけばな×百段階段」展。
d0117565_13335496.jpg
昨年は春に50周年記念花展が開かれたので初めての秋開催。個人的な感想だが、どうもあそこの会場は秋の方が向いているような印象を受けた。
事務局からロビーとエレベーター前も依頼されたのだが、あそこをやるとどうしても部屋の方が手薄になるし、二年連続はやはりキツイ。おかげで部屋の作品に集中できた。

まあざっくりと振り返ってみるとどの作品も至らぬ点多々。しかし不完全であるがゆえにこの仕事を続けていけるのだとも思う。
さて、今年の計画ももうすでに始まっている。幸いにも体調はまずまずだ。
いけばな、もっともっとうまくなりたい。手抜きをせずにフルスロットルで行こう。





by katabami03 | 2018-01-16 13:48 | いけばな | Comments(3)

そこに植物があれば。

一昨年に水仙(スイセン)と杜若(カキツバタ)だけの古典花の本を作った。その後もう一冊作り、そろそろ発刊される。さらに昨年よりもう一冊の制作をはじめて、こちらも発刊の準備に入っている。
いけばなは消えてしまうので、現物を見れない人や後世に伝えるには写真で伝えるしか手立てがない。とはいえ豪華本を作るような時代ではないので、可能な範囲で出来るところからコツコツやっている次第だ。
昨年末から葉蘭(ハラン)をずっと生け続けてきた。
d0117565_1752078.jpg


花屋さんで求めたものとお寺さんに行って切り出してきたものとを使って20作近く生けた。
葉蘭は長持ちするので、教室の片隅には生けた残材などがたまっていた。これらを使って古典花とはがらりと趣を変えて生けてみた。
d0117565_175219100.jpg


いけばなと言えば当然花を想起するだろうが、枝とか葉とか、花がなくともいけばな。
自画自賛ではあるが、つくづくすごい文化だと思う。
by katabami03 | 2017-01-16 17:56 | いけばな | Comments(5)

何も好き好んでこんな時期に・・・。

月例研究会の日々もおわり、あとは稽古を含め諸々正月の準備という時期になった。
本来なら多少まったりできるハズなのだが、今年はなぜかこの時期になっていけばな作品の撮影を入れてしまった。しかも少なからぬ数。準備や撮影で4,5日かかる。
あ~あ、余裕での~ンびりっていうのが出来ない貧乏性を恨む。
とまれ本日は倉庫から花器花台等の道具類を教室に運ぶ。

地下の駐車場から教室まで、台車満載で二往復。
d0117565_22222889.jpg


取りあえず全部出してみる。
道具屋の店先みたいだ。
d0117565_21554386.jpg


こうなると気分は「戦闘準備完了」。「一丁やったろまい!」的な思いが沸々と。

期限が決められている作品写真ではないので失敗すればまた来年撮り直しもできるのだが、それはそれでお金も時間も労力もかかる。ここは一発でビシッと決めて、気持ちよく新年を迎えたいものだ。
by katabami03 | 2015-12-22 22:20 | いけばな | Comments(2)

生花(せいか)考。

いけばなは極論すれば、枝や花同志の間合いとバランスだと思っている。
勿論、どこに飾るか(はなを置く環境)によっても花型は変わってくるが、基本、空間の中のバランス、位置づけととらえることで環境に順応してきたわけだ。

生花は江戸時代に出来た花の形なので、本来は床の間に飾られたものだけに見る方向が限定されている。

d0117565_21531949.jpg


私の持論の一つに「いい生花は目線を変えてもそれほど破綻して見えない」というのがある。
で、今回生けたもので検証してみよう。

まずは右斜め前と左斜め前から。

d0117565_22123825.jpg

d0117565_21594953.jpg


まあ、まずまずかな。

ドーンと右と左の真横から。

d0117565_221375.jpg
d0117565_2211318.jpg


さすがに真横からの絵は後方の手当てがおろそかなところが一目瞭然。こればかりは生花の宿命にて致し方ない。

こうして改めて検証してみると、う~ん、やはりまだまだ修正点はあるな。
さらに精進精進、ってことか。
by katabami03 | 2015-10-28 22:05 | いけばな | Comments(2)

いけばなは消えてしまうから。

本を作りました。

d0117565_2137839.jpg


水仙と杜若(カキツバタ)の生け方のいろいろなパターンを生けた作例集。
両花材ともに一年の内で市場に出回る時期が限られているので、時季がずれてしまうと翌年になるまでやり直しがきかないという難物だ。
で、毎年同じことを40年近く延々と話しているわけで、絵図も毎年描いて説明を繰り返してきたわけだ。だが絵図を描くのが煩わしいので、写真を撮って説明すれば楽だなあ、と思ったのが4,5年前。そこからスタートした。
そんな風にして撮りためておいた写真を知人にみせたところ、本にまとめてはどうかという示唆をいただいた。ただ、現今は豪華な本を作るような状況ではないので、本というよりもテキスト的なものになったのは致し方ないか。

d0117565_2152392.jpg


写真と現物とは別物なので100パーセント満足というわけにはいかないが、自分の生けたものが本という形になるのはやっぱり嬉しいものだ。

私が今、花を生ける際にも、古人がどのように生けてきたのか古い絵図を参考にすることが度々ある。
いけばなは消えてしまうので、何がしかの形で後世に残さなければならないという必要性を感じる昨今。100年後にこの本を見た人が何を感じるのだろうか・・・、そんなことを想ったりもしている。
by katabami03 | 2015-10-20 22:06 | いけばな | Comments(2)

葉蘭に始まり葉蘭に終わる。

昨日の研究会は皆30年以上のキャリアを持つベテランのクラス。
通常は各自が生けたいものを持ち寄って来て生けるのだが、今回は全員で葉蘭(ハラン)を生けてみようという事になった。

d0117565_1726697.jpg


「生花は葉蘭に始まり葉蘭に終わる」という言葉がある。
初心者でも形を取りやすい反面、追求すればキリがない花材という事であろう。
とはいえ、初めていけばなを習いに来た人に、生花の基本である「天地人」を葉蘭3枚だけで生けて「ハイ、おしまい」では、これはちょっと納得できないであろう。実際に葉蘭を生けるのは少し技術も理解も進んでからということになる。

葉蘭3枚による草型。これだけではいかにも寂しい。

d0117565_17375454.jpg


昨日は見本を一作生けてほしいということで、基本の9枚生けを、解説を加えながら実演する。

d0117565_1737305.jpg


器の底に剣山を入れたり、細い針金を使ったりすればそれほど手間はかからないのだが、「何も使わなくっても十分生けれるよ~」ってな所を見せようと気張ったため、少々手間取ってしまった。
要らぬ見栄は張らぬに越したことはないが、張るときには張らにゃしゃぁんめえ。

「葉蘭に始まり葉蘭に終わる」か・・・。
好んで生けたいと思う花材ではないのだが、ん~、ま、たまにはやらにゃいかんな。
by katabami03 | 2015-09-22 17:22 | いけばな | Comments(0)

雑草、大好き。

「雑草」という名の植物はない、と言った人がいた。
水や肥料をやらずとも勝手に繁茂する草々は、その逞しさゆえか「雑」などという冠を冠せられてしまっているが、よくよく見るとどれもこれも味わい深い植物だ。
雑草が繁茂する空き地はいけばな人にとっては宝の山のようなもの。

d0117565_2165556.jpg


この空き地はほぼ雌日芝(メヒシバ)のテリトリー。
雌日芝と言ってもピンと来る人は少ないと思う。でもこれを見ると「あ~~」と気づくと思う。

d0117565_21224356.jpg


そう、すっと伸びた茎の上が4,5裂になっているアレだ。

この草むらの中もよく見ていくと幾種類もの草が混じって生えている。
蚊帳吊草(カヤツリグサ)もちらほら。ここのものはまだ小さいが、蚊帳吊草も場所や環境によっては茎が1メートルくらいまで成長する。

d0117565_21454281.jpg


昨年の婦人画報でもこれらの草々をあしらった花を掲載させていただいた。

d0117565_2148164.jpg


先日の増上寺の花展でも雌日芝、蚊帳吊草、狗尾草(エノコログサ)をたくさん使って生けた。

d0117565_21511141.jpg


普段人が意識しない草花に着目して云々、などという気は毛頭ない。
これらの草が持つしなやかさ、強靭さ、はかなさetc,etc・・・、素材として様々な可能性を秘めているお宝なのだな。
by katabami03 | 2015-08-20 21:36 | いけばな | Comments(2)

先人の知恵に感謝。

今の時季、水辺の植物が盛りだ。いけばなの世界では総じて「水もの」と言っている。
蓮、河骨(コウホネ)睡蓮などなど。
これらは水の中で育つ植物だけに特別な水揚げの処置を施さないとすぐにしなびてしまう。

蓮と河骨の撮影をした。
水揚げの処置だけで午前中いっぱいかかってしまった。ああ、せわしない。

花屋さんから届いたもの、平たく言えば水浸し状態の花材に素早く注水ポンプで薬液を注入する。

d0117565_2310119.jpg

d0117565_2311666.jpg


注入中の葉を裏から見ると、水が入っている様子がよくわかる。

d0117565_2313252.jpg


葉に万遍なく水が入ると汗が噴き出るように葉の表面から水が滲み出てくる。丸まっていた葉もピンと張ってシャキッとする。

d0117565_72164.jpg

d0117565_23165174.jpg


生ける際も、切り口をなるべく空気にさらさないように、水から水に素早く移すような要領で生けあげる。ああ、せわしない。

こうした生け方を作り上げてきた先人の苦労と努力、創意工夫にはただただ敬服の念を新たにするばかりだ。
by katabami03 | 2015-07-30 23:22 | いけばな | Comments(2)

悲しみを越えて。

しつこく残っていたお正月の花を本日撤去。
最後まで残っていたのは蘭の一種のオンシジューム。

d0117565_2265153.jpg


黄色いオンシジュームは40年以上も前から出回っていたが、2年くらい前から茶色い品種が見られるようになった。
茶色なので一部枯れてきていてもそれほど目立たないのだが、ここまで来たらもうアカン。

d0117565_2295495.jpg


花をすべて軸からもいで、ちょっとした花遊び。

d0117565_22133226.jpg


ハイデラバード土産のガネーシャを花でうずめる。

d0117565_2214724.jpg


これはG氏への追悼。
by katabami03 | 2015-02-02 22:17 | いけばな | Comments(0)

最後まで。

先日の「いけばな公募展」の際、バラが少しばかり余ったので家に持ち帰って飾っておいた。

d0117565_23182816.jpg


数日楽しませてもらったが、いよいよくたびれてきた。

d0117565_23191672.jpg


水からあげて、このまま逆さにして風通しの良いところに干しておけばドライフラワーになるのだが、作品の素材として再利用するために、花びらだけ乾燥させることにする。

まずは花びらだけもぎ取り、その後に重ならないように広げる。

d0117565_23231543.jpg


d0117565_23234246.jpg


これだけの花びらでも乾くとほんの一握り程度になってしまう。

d0117565_23295811.jpg


ここまでため込むのは大変だった。
使えるものは最後まで使う。それが花への供養だと思う。
by katabami03 | 2014-12-07 23:33 | いけばな | Comments(2)