カテゴリ:映画・演劇( 45 )

悪友かも。

座・高円寺にて『葉子』を観る。
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芥川賞最年少候補になりながら、昭和27年鉄道自殺した久坂葉子の謎を題材にした芝居。
実はこのお芝居、ホンを書いたのが昔の芝居仲間で、いただいた手紙によると数年前から脚本の勉強をしていて、自分の書いたホンが初めて上演されるとの由。
案内をいただいてすぐに本人に電話して予約を入れたのだが、なんと最前列。真ん中よりもちょっと上手で、役者の鼓動までもが聞こえてきそうな特等席だった。
主演は松本幸四郎さんの長女の松本紀保。松たか子さんは夙に有名だがお姉さんのネーヌバリューはイマイチの感。
舞台中心に活動されているのだろうか。芝居はこなれているように見受けられたがせりふ回しに絶叫調が多く、もう少し緩急、メリハリをつけた方がより芝居に厚みが出たのではないかと思った。
何よりも素晴らしかったのは狂言回し的な役を演じた岩﨑加根子。
長いせりふ回しにも澱みや躊躇もなく緩急自在、しかも間合いが絶妙。こういう人がいると自ずと舞台は締まる。
というわけで上演時間2時間弱も瞬く間に過ぎた。

ああ、しかし何といっても嬉しかったのは昔の仲間がこんないい仕事をしているという事。しかもわずか数年前から始めたのだと!
こういう仲間がいるから自分も頑張れる。頑張ってしまう。

いやはや良いことなのか悪いことなのか・・・。
by katabami03 | 2016-03-11 22:23 | 映画・演劇 | Comments(2)

バカで得することもある。

『オデッセイ』を観てきた。
宇宙サスペンスものとして、少し前に公開された『ゼロ・グラビティ』を思い出してしまうが、『アポロ13』のような面白さも加味されていて、前評判通り期待を裏切らないハラハラドキドキ映画だった。

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初めのうち、館内が寒くて気が散って途中くらいまで映画に集中できなかった。映画の舞台である火星を体感しているというような気には到底なれなかった。こりゃあ別物だ。映画館には暖かくしていきましょうね。

で、映画の方だけれど、地球上ではどちらかというと動物的な勘が鋭い方が生き残れそうな気がするが、宇宙でサバイバルするには賢くなければいけないのだなあと思った。様々な知恵が未来のオデッセイには必要なのだと。
それから映画を観終わてからフト思ったのだけれど、科学(化学?)とか物理とかに長けた人達はこういう映画を観てどう思うのだろうか。
幸いにもrisiはそっち方面にはまったく無縁なので話の流れにドップリうっぷり浸かってみていられるのだけれど、理系の人って、「これは理論的にはあーたらこーたらだけど」とか、「コレを作るにはアレが欠かせないはずだが」とかって、色々と考えてしまうのではないだろうか。

ひとが何をどう見ようとその人の勝手なのだけれど、こと映画に関しては面白さが半減してしまうのではないだろうか。
今回の映画、なまじ賢くなくてよかったあ~。
ちょっとおバカで得することもあるんだね。
by katabami03 | 2016-02-24 17:10 | 映画・演劇 | Comments(2)

身内贔屓ではないが。

テラ・アーツファクトリーの公演、岸田理生作の『恋 其之参』を拝見。

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テラ・アーツファクトリー座長で、今回の芝居の演出をしている林君は、大昔、私が芝居をしていた時の仲間。
学生時代よりず~っと演劇を続け、現在はテラ・・の座長を務めながら、某大学で講師を務めたり、ワークショップを開いたりしているようだ。

戯曲って全く読むことがないので、原作がどういうものかは知る由もないが、話の流れに無理がなく、役者さんたちもみなさん巧み。かつてのアングラ小劇場の芝居のような観念的な情景や言葉遊びのようなシーンもなく、抵抗なく観ることができた。また、大衆演劇的なエンターテインメントや幕間には身体表現のようなパフォーマンスも織り交ぜ、約1時間半、久々の「芝居」を楽しませていただいた。

開演中は撮影禁止なので、開演前の会場風景を。

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それにしても、だ。
メジャーな演劇って料金が高すぎて、そうやすやすと観に行けない。ま、芝居にはお金がかかることは分かっているけれども、料金設定が度を越しているように思う。もちろん価値観は人それぞれだから、それでやって行けるのだからいいじゃない、と言われてしまえばそれまでの話なんだけれど。
そこへ行くと小劇場はよく頑張っている。入場料がメジャーの半分とか三分の一とか。なんだか申し訳ないような気分になってしまう。
なによりも芝居だけで食べている人なんて皆無だろうに、役者さんたちの熱い気持ちがモロに伝わってくる。
本日の公演を観て、小劇場、もっと応援したくなってきた。
by katabami03 | 2015-07-10 21:55 | 映画・演劇 | Comments(2)

あっぱれ花◎。

そこそこ話題の『海街diary』を観てきた。

第一印象で言えば「女優陣のすばらしさ!」この一言に尽きる。
四姉妹が四様のキャラクターを巧みに演じ切っている。樹木希林、大竹しのぶの両人は言わずもがな。風吹ジュンちゃんも安心安定。

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物語自体は誰にでもありそうな日常が淡々と綴られているだけで、たいそうな「ドラマ」が起こるわけでもない。
だが、他人から見れば「誰にでもありそうな日常」も当事者にとってみれば、その一つ一つが「大そうなドラマ」であるわけだ。
四姉妹を中心に描きながらも、登場するすべての人にもそれぞれに「ドラマ」がある。そのあたりをさりげなく描き出しているところにも全体の厚みを感じた。

一人一人がそれぞれに喜び、悲しみ、さまざまな懊悩を抱えながらもその人生を甘受し、キッパリと生きる。
これは静かな、けれども強い人間賛歌・・滋味深い名画だ。
by katabami03 | 2015-07-07 22:51 | 映画・演劇 | Comments(0)

もっと大笑いしたかったのに。

暇だったので映画を観に行く。
頃は皐月、見終わった後に沈鬱な気分になるのも嫌なのでこれにした。

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ゲラゲラ笑ってスカッとしようと思って行ったはずなのに、う~ん、微妙。
そこそこ笑えるのだけれど、テンポおっそ~。何だこのユルさは。
「タケシ、もっと巻け~」とスクリーンに向かって叫びたくなるものの、なぜか従順に観てしまうのだな。何だこの感覚は。
ん、なんか覚えがあるぞ。・・・童話?お伽噺?・・そうだ日本昔話だ。ちょっとブラックを振りかけた日本昔話。
昔々あるところに背中に龍の入れ墨をした一人のおじいさんがいました・・ってこんな感じだ。
で、最後もシュワッチって少しばかり毒を吐いて、めでたしめでたし、でした。
by katabami03 | 2015-05-09 22:07 | 映画・演劇 | Comments(3)

圧倒的なパワー。

遅ればせながら『ゼロ・グラビティ』を観てきた。
なにせ、かの大江戸時夫さんはじめ我が家の息子達も大絶賛の映画だ。これはTSUTAYAというわけにはいかんだろう。

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実写、特撮、CGもつかわれているのだろうか。ともかくその臨場感がハンパなく、さらに全編を通じての力強い映像に圧倒される。
物語は極めて単調なのだが、それがまたこの映像のパワーを加速させているのだろうか。
終盤からクライマックスにかけて、涙するほどこみ上げてくるものがあったが、その感情は何なのだか説明がつかない。強いて言えば「映像の力」、ということだろうか。

平日の午前中とはいえ、劇場は貸切のような状態だった。
これはもっと多くの人、とりわけ映像に拘わりをもつ人達にはぜひとも観ていただきたい映画だと思った。
by katabami03 | 2014-01-27 23:09 | 映画・演劇 | Comments(0)

笑いはそこそこだけれども。

楽しみにしていた『清州会議』を観た。

描き方によってはかなり重厚な作品になりうる設定を、三谷監督が、適度に笑いをちりばめながらサラッとうっちゃった、って感じの「技あり時代劇」ってとこだろうか。

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キャスティングによって作品の善し悪しが左右されるのは今更言うまでもないが、三谷作品はこの点はかなり安心して観ていられる、加えて役者さんたちがみんな、上滑りでもなく悪ノリでもなくキラキラしているところが気持ちいい。
時代劇ということで、言葉遣いでやや違和感を覚えるところがあったけれど、娯楽作品なのでツッコミを入れるほどのことでもなかろう。
役所広司は実力ある役者さんなのにTVのコマーシャルがどれもこれも無理やり笑いを取ろうとするかのようなものばかりで、なんだか不運だよなあと思っていた。この作品でかなり溜飲を下げていることだろう。
大泉洋って何でだか好きになれないキャラなのだけれど、今回は見事にハマリだった。

期待していた三谷ワールド全開の喜劇ではなかったのでちょっと予想外。けれども、エンドロールを見ながら、淡い、不思議な感動を覚える作品だった。
by katabami03 | 2013-11-15 18:04 | 映画・演劇 | Comments(0)

濃けりゃいいってものでもないけれど。

『利休にたずねよ』の試写会を観てきた。
上映前に監督と出演者の舞台あいさつがあり、海老蔵さんや中谷美紀さんを生で拝見出来たのは良かったのだけれど、意外に長くてちょっとウンザリだった。

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さて本編。
利休ものは何作も作られているので味付けは難しいのだろうけれど、もっと起伏をつけても良かったのでは。
前半のいくつかのエピソードは淡々としていて、これは後半の盛り上がりへの伏線かと期待したものの、場面転換後もやや生煮えの感。ここは一つキムチパワーでビシッと決めてほしかった。
全体、薄味のコース料理を食べさせられた、って感じだったが、主演の二人がそこそこシッカリとした味を出していたのが救いだった。

余談だが、通路を挟んだ隣の席にジローラモさんがいて、上映中に2回も出入りして、そっちの方が気になってしまった。こういった映画はジローさんには少しキツかったのかなあ。

あっさり過ぎたので次はコッテコテのデザートが食べたくなった。
クドカンかそれとも三谷さんか、両方行っちゃおうかな。
by katabami03 | 2013-11-05 23:36 | 映画・演劇 | Comments(1)

一言で済んでしまう映画。

遅ればせながら「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を観てきた。

敢えて感想を書くほどのこともない。

「女優、メリル・ストリープを観る映画」コレで全てだ。

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でまあ、コレだけだと「お前バカか」と言われてしまいそうなので、映画からは少しばかり外れてしまうかもしれないけれども、感じたことをちょっと話そう。

サッチャーさんが現役の首相だった時に、risiもリアルタイムでその演説やら会見やらを聞いていたわけだ。で、その時に感じたのは「なんて分かりやすい(聞き取り易い)英語を話す人なんだ!」。勿論(!)内容までは分からなかったけれど、とにかく耳に心地よかったなあ。
そう、私たちの世代が中学校に入った時に初めて接する英語っていうのは、まさしくサッチャーさんが喋るような英語だったわけだ。その後長じるに従ってアメリカだのオーストラリアだのといった様々な英語圏の英語と接してきたわけだ。今思えば、それらは英語の方言のオンパレードといったところか。
アメリカ人の英語教師が話す「I can not・・」と言うのは、どう耳をそばだてても「イーキン」としか聞こえなかったし、あまつさえ「I want to・・」と書かれているものを「アイウォナ・・」と発音せよ、と指導(強要!)されたものだ。
そんなときに聞いたサッチャーさんのスピーチは、まるで天から降り注ぐ花吹雪のように聞こえたものだ。
この花吹雪英語、メリル・ストリープは完ぺきにコピーしていたね。

サッチャーさんの出自は映画を観て初めて知ったのだけれど、階級だのジェンダーだの知ったことかという猪突猛進の姿。それがまたあの激動の時代を英国が乗り切った一因でもあったのかと深く納得。
英国と言うのはガチガチの階級社会が現存している国だと思うのだけど、是は是、非は非と白黒はっきりさせるあたり、やはり大人の国なのかなあ。翻って我が祖国は・・・ああ、やんぬるかな!

目がいいんだよねえ。顔は本人よりも細面だけれども、特殊メイクの技術力もあってか、ちょっとタレ目のところなんかそっくり。その目がギラリと光ったり、トホホ的眼差しになったり。目の説得力ってのもあるんだなあ。

イチャモンつけるとすればタイトルがどうにもいただけない。
普段、原題そのものをカタカナに置き換えただけのものや、直訳しただけのタイトルが多すぎることを憂いているrisiだが、この映画に関しては原題直訳の方がよほどマシだと思う。

「鉄の女」これで結構。コレの前に「メリル・ストリープの」と加えるのはなお可、かと。






休憩
by katabami03 | 2012-04-04 22:42 | 映画・演劇 | Comments(0)

ありがたやのロングラン。

久しぶりに映画を観にいく。

特に観たい映画があったわけではないが、いつも行くシネコンのポイントがたまっていてタダで観れるということで、パソコンで検索してみたところ、およっ、もうとっくに終わっていると思っていた「ステキな金縛り」をやっているではないか。
この作品は公開前から観たいと思っていた。そして公開前にテレビ放映された「ステキな隠し撮り」という、ま、映画の宣伝番組みたいなものを結構期待して見ちゃったのだが、これがいけなかった。三谷幸喜さんの悪ノリ芝居に辟易してチャンネルを回してしまった次第。ちょっと忙しかったこともあって、映画の方も観ずに、「ビデオでもいいか」くらいの気持ちでいたわけだ。

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さて「ちうくらい」の期待度でみたところ・・・。

いやいやどうして、コレは良くできた娯楽作です!

西田敏行は何を観てもワンパに見えてしまうキャラだけど、やっぱり上手いね。流すトコはサラッと流し、上げるトコはグイグイ上げて、落とすトコはストン。
深津絵里さん。今更ながら表情の豊かさに感嘆。
三谷組。安心安心。あの市村正親さんの怪演など、おかしさ満載。
加えて、ストーリーの根幹は法廷劇なのだけれども、これもしっかり出来ていて、常道というか王道というか、最後のドンデン返しまで用意されているとは。オミゴトでした。

強いて言えば、risi的には最後の情緒的な部分はない方がよかったかなあ。ともあれ「ちうくらい」の期待で行ったので、もうおつりがくるくらい(タダだったけど)の満足度。
行く前は「まだ観に来る人がいるのかなあ」なんておもっていたけれど、客の入りもそこそこ。一日一回上映とはいえ、ロングランもむべなるかな。
ビデオにしないでよかった~。
by katabami03 | 2012-01-13 21:38 | 映画・演劇 | Comments(2)