夜の鎌倉。

所用で鎌倉に行ってきた。

帰りがけにお腹がすいたので鎌倉駅近くのナントカ食堂へ入った。表に出ていた「鎌倉名物釜上げしらす丼」というのが目に入り、何も考えずにスルスルっと入ってしまった、というのが正しい。
中に一歩入って瞬時に、「ン、はずしたかな。」と思った。いすやテーブルなどの調度は30年くらい前の駅前食堂を彷彿とさせるしつらえ。台所みたいなカウンターの中には白衣を着たおばちゃん二人。かすかにトイレの臭いも漂ってくる。
しかし知っている店もなく、今更出るのも面倒くさいのでとりあえず名物という「釜上げしらす丼」を注文した。
これが予想外に美味であった。
丼飯にしらす、万能ネギのみじん切り、きざみのりがまぶされ、色取りにトマトがほんの少し。これに出し醤油をかけて食べるのだが、このシンプルさがかえって食材本来の味をひきだし、写真を撮るのも忘れて思わずかっ込んでしまった。
この丼には温泉卵がついており、「卵は最初にかけないでね」とおばちゃんに言われた通り、上の方をあらかた食べてしまってから、残ったご飯にまぶして食べたのだが、これがまたかすかに残るしらすの風味と絶妙のマッチング。幸せな気持ちで店をあとにした。

八幡宮に続く道(名前は忘れた)はまだ8時前だというのに、薬屋やコンビニなどがわずかに開いているだけで、大方は店じまいしており、不夜城のような都会の夜景を見慣れた目には少し薄暗く感じるほどだった。
駅前も洋菓子店や喫茶店などほんの数店をのぞいて灯りを落としており、その閑散とした感じや通りの薄暗さに、しばらく忘れていたある種の懐かしさを感じた。

人間に合った波長というのは案外この位のものなのかもしれない。
故知らずほのぼのとした気持ちで改札をくぐったのであった。
by katabami03 | 2007-08-24 00:03 | 私は思う。(日々雑感) | Comments(0)
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