上海の旅ー6

いろいろあったものの、ようやく展覧会初日にこぎつけた。
開場は11時を予定しているが早めに会場に向かう。取りあえず最上階の室に花を生けねば。

展示台は屋上にあったプラスチック製のテーブルを白布でくるんでの急ごしらえ。器は草月の田島さんから借用。ストック場に残っている花材の中から、パンパス、ヤシの葉、ストレリチアなどを取り出し、サクットとこんな感じの花を生ける。
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オープニングには主賓として、上海のいけばな関係のお歴々や企業の方がお見えになりテープカット。
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かつて中国を旅した時の記憶では、行く先々で必ず政府の人か役人なのか、偉そうな人が来て挨拶に立たれたので今回もそう言った人がお見えになるのかと思っていたが、そのテの人は皆無。
当時は旅行中どこに行ってもなんとなくどこかで監視されているような気がしてならなかったが、今の中国ではそのようなことは全く無く、とても社会主義の国とは思えないような変わりようだ。

花展会場には終日大勢の観客が詰め掛けていた。数日前の下見の折にはほとんど人影など見られなかったところだというのに、ここの館長さんも驚くほどの来客数だったようだ。
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その日の晩にはホテルで祝宴が開催された。
オープニングの時にいらした来賓の方々と楽しく歓談。途中には中国の伝統歌曲、空手や太極拳、チャイナドレス愛好会の御婦人方によるファッションショーなどのアトラクションも交えてつつがなく終了した。
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[ 花展会場の花 ]
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花展二日目、この朝も船の警笛で起こされる。
ここについて当初はほとんどの船が川を遡っていたが、昨日あたりから石炭や砂利のようなものを満載した大小の船が次々と下ってくる。
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完全な一方通行ではないようだが、遡る日(曜日?)と下る日が決まっているのだろうか。それにしても、よく転覆しないなと思うくらい荷を満載している。川だからこんなことができるのだろうな。
後日、からの船と満載の船とが行き違うのを見た。ご覧の通り。
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さて、花展会場。
この日の午後には1階の特設会場にて森井先生のデモンストレーションが行われる。

小原流の花の大作を3態生けあげるが、その手際の良さと花姿に会場からは惜しみない拍手が送られていた。
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小休憩をはさんで私もミニデモ。短時間だったので実際に花を生けることはせず、今回は草物や枝を矯めるテクニックをお見せする。くさび矯めはどこに行っても大うけだ。
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続いてワークショップ。
30人ほどの受講者がいて、初心者かと思ったら皆さん経験者でとても上手に花を生けるのでこれは楽をさせてもらった。
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その後は特にすることもなく会場をぶらぶらしていたら、リリーさんからちょっと観光に行こうとお誘いを受けた。
案内されて地下鉄に乗る。
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地下鉄の改札口ではどこでも荷物チェックをうけるが、それ以外は日本と大差はない。県はカード式。きれいだし治安も良い。
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「新天地」という駅で降りるととても賑やかな繁華街で、その先に、大戦前まではフランス租界だったところがある。
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建物の外観は残して、中は多くはレストランなどの飲食関係の店になっている。
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フランスの地方の街のようでありながら、どことなく中国風でもある不思議な雰囲気の、落ち着きのあるいい街になっている。

晩にはリーロンさんの御主人の幼馴染だという、趙さんという方のおたくに伺って食事をごちそうになる。
趙さんの家は上海市街のど真ん中にあるが、再開発のために一帯がきれいに取り壊されたなかにポツネンと残っている。市内には古い民家はほとんど見られない中、このいえに入れたのは貴重な思い出となった。
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趙さんは祖父の代からの骨董商とのこと。文化大革命のときに収蔵品約3万点が没収されたが、その後2万点ほどは返してくれたとのこと。まだ1万点返してもらっていないので強気でいのこっているとのことだった。
友人知人をよんで毎晩宴会を開いているらしい。中国人は家族や一族を大事にすると聞くが、私たちのような通りすがりの者にまで酒食をふるまってくれるとは、いったいどういう人なのだろう。
この晩は上海ガニや上海の家庭料理をごちそうになった。
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趙さんの家は宝の山だ。でもここにあるものは大したものではなく、本当にいいものは奥にあるとのことだった。
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by katabami03 | 2016-10-31 21:13 | 旅・山
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