そこそこ話題の『海街diary』を観てきた。
第一印象で言えば「女優陣のすばらしさ!」この一言に尽きる。
四姉妹が四様のキャラクターを巧みに演じ切っている。樹木希林、大竹しのぶの両人は言わずもがな。風吹ジュンちゃんも安心安定。
物語自体は誰にでもありそうな日常が淡々と綴られているだけで、たいそうな「ドラマ」が起こるわけでもない。
だが、他人から見れば「誰にでもありそうな日常」も当事者にとってみれば、その一つ一つが「大そうなドラマ」であるわけだ。
四姉妹を中心に描きながらも、登場するすべての人にもそれぞれに「ドラマ」がある。そのあたりをさりげなく描き出しているところにも全体の厚みを感じた。
一人一人がそれぞれに喜び、悲しみ、さまざまな懊悩を抱えながらもその人生を甘受し、キッパリと生きる。
これは静かな、けれども強い人間賛歌・・滋味深い名画だ。