大好きな人達なんだ。

坂田純さん、古川知泉さんの個展を拝見。
お二人とも今はいけばなからちょっとかけ離れた仕事をしているが、その出自はいけばなで、私がいけばなを始めたころからずっとその背中を追いかけてきた人たちだ。

坂田さんはここ数年、銀座の奥野ビルにあるギャラリー「巷房」で一年に一回くらいのペースで作品を発表している。
作風に大きな変化は見られないが、今回は紙(バリ島のバナナ紙)が今までのものよりもざっくりとした粗さがあり、表面にかなり凹凸がある。そのゴワゴワした紙に絵具や柿渋でさっと色付けし、そこに細かく切った紙片を張り付けてある。

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紙の質感や柿渋の色合いを見ていると、作品のサイズにかなりの隔たりがあるものの、30年くらい前に発表していた作品を彷彿とさせるものだった。

古川さんは一時体調を崩されていたが、作品制作を続けていることを知りとても嬉しかった。
今回は初めてのエッチングの作品展で、題材はすべて植物、それも枯れ落ちる寸前の姿をとらえたものだ。

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植物を描いた絵や版画はこれまでにも随分と見てきたが、古川さんの作品は対象を一見冷徹にとらえているようでありながら、どこかぬくもりを宿しているような雰囲気を醸し出しており、いけばなを愛し、植物ととことん付き合ってきた人の作品だなあという感じがした。


坂田純展 24日まで 中央区銀座1-9-8 奥野ビル3F「巷房」
古川知泉展 2月11日まで 港区南青山3-8-2 青山OGビル4F「tripiet」
by katabami03 | 2015-01-21 22:00 | 展覧会・イベント
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