北鎌倉にて深呼吸する。

朝イチで東伏見に借りている倉庫に秋の花展で使った器を置きに行き、代わりに月末の展覧会で使う器を持ってくる。
教室も倉庫も同じところにある時にはこうした苦労はなかった。しかし管理は今の方がキッチリできている。どっちもどっち、世の中すべてうまくいくことの方が珍しいのだから、ま、この程度のことはしゃーないわな。

で、時間ができたので久々に北鎌倉の「ポラリス」に版画作家の『湯浅克俊展』を拝見に行く。

「ポラリス」にはかれこれ3,4回行っているが、一度として迷わずに行けたためしがない。
場所が北鎌倉の山の上、まあ散策がてらみたいな気分で行くので、道を覚えようとする気持ちも希薄なんだな。
こっちだったかな、と適当に登っていくと・・・。

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この先は完全な山道。やっぱり間違えた。

ようやくたどり着いた。

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一階のガラス張りの部屋には、月の満ち欠けを形象化したインスタレーション。

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作品自体は無機的だが、「ポラリス」という特異な空間と相俟って、とてつもなく大きな、言わば天象のようなものを感じさせる作品だ。また、それと対峙すことで逆に自分の「個」を意識させられるような、そんな装置のようにも思えた。

下の部屋には版画が6点展示されている。

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青と黒で刷られた3点はいずれも静物画で、柔らかな静謐さを感じさせる。

あいにく作者は不在だったが、オーナーの十倉さんがいらして、いろいろとお話をお聞きすることができた。

今回の版画は、対象の輪郭をキチッと彫って色刷りしたものではなく、斜めに彫られた線の肥痩によって明暗の変化をつけているとのこと。

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2階に版木が展示されていたのでよ~く見ると・・。

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なるほど、これはスゴイ!

赤と青で刷られた3点は福島を題材に彫った作品との由。
青い作品は線が一方向からだけで彫られていたが、こちらは右から左下へ向かう線と、左から右下に向かう線と、2方向の線によって対象物が描き出されている。
同じ場所だが、青で描かれたかつての光景と赤で描かれた今の光景とを重ねて刷ってあるそうだ。
政治的なメッセージ性は感じられず、代わりに重い悲しみが滲み出てくるような光景に思われた。

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『湯浅克俊展』は12月7日まで。
「ポラリス」は金土日の午後のみ開場、ご注意。
by katabami03 | 2014-11-14 17:59 | 展覧会・イベント | Comments(0)
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