進む肥大化。

先日、昭和の遺物「キリン堂薬局」に触れたばかりだが、今日の帰りがけにまた一つ胸にチクリとくる光景を目にした。

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私が生まれ育った家(この家も今はもうない)から150mほどのところにあった「斎藤商店」。
通りに面した2階部分はすでに取り壊されている。

私が物心ついたころにはすでに存在していたので、かれこれ50年くらいは営業していたことになる。
知る限りおばちゃんが一人で切り盛りしていて、私よりも10歳くらい年下の男の子が一人いたようだが、その子も成人したであろうころから、もう見かけなくなった。
子どものころはここで駄菓子やコーヒー牛乳などを買っていた。長じてからはたばこをよく買いに行ったものだ。ついでにおばちゃんと時々よもやま話などしたのも懐かしい思い出だ。
至近の距離にコンビニができてからも細々と営業していたようだが、7,8年くらい前に表の戸は閉じられ、以来そのままになっていた。

近辺の再開発もだいぶ進み、木造モルタル造りの家もほとんど姿を消した。
計画的な再開発事業で建造物はもとより、道路や歩道も広く、それらに付随した植栽も小ざっぱりとしているし、小緑地などもしつらえられた近代的な風景が現出した。
一見申し分ない都市景観なのだが、かつてそこに生きてきた人間にとっては、人の息遣いや生活の匂い消し去られてしまった、ある意味で殺伐とした光景になってしまったようだ。

全体、東京の肥大化はどこまで進むのだろう。
定向進化というのだろうか、都市も恐竜と同じ道を歩むの?
消えゆく斎藤商店を見て、フトそんなことを想ってしまう。
by katabami03 | 2014-11-05 22:31 | 私は思う。(日々雑感) | Comments(0)
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