「ツールド妻有」の前日、折角なのでー「大地の芸術祭」の里 越後妻有2014夏ーを拝見。
まずは情報収集をかねてキナーレに行く。
キナーレの一部は一昨年にリニューアルされて「里山現代美術館」となっている。そこの一階で佐藤香さんが作品制作を行っていた。
佐藤さんは妻有の各地で採取した土を用いて作品を描いている。
一見したところ、日本画の顔料とも思えるような土で描かれた作品は、ポップアート的な雰囲気と土俗的な風合いとが同居しており、さらにメキシコの壁画のような力強さを感じさせるものであった。
二階に上がるとキジマ真紀さんの「Fancy Flower」が目を楽しませてくれる。
森野晋次の「時の封ー妻有2014.05~」は,やや類型化されたきらいはあるものの、いかにも妻有ならではの労作であった。
回廊部分には原光司+工学院大藤木研究室+F.A.D.Sと日置拓人+木村謙一の作品が設置されている。
前者の作品「Three Travelers」。
来年に向けたエスキース的な作品らしく、子供しか入ってはいけないとのことだった。
後者の作品「土の光籠」。
これもまた妻有らしい作品であったが、これはやはり野外に置くことによって一際その存在感が増す作品であろう。せめてキナーレ脇の芝生の上に設置してほしかった。
続いて松代の「農舞台」に向かう。
「農舞台」では「限界芸術百選プロジェクト田中みずき銭湯ペンキ絵展」を拝見。
子どものころから銭湯の絵はたびたび目にしてきたのだが、今までじっくりとみることはなかった。
改めて見てみると全体ベタな感じで、上手いか下手かと言われれば正直なところ「下手な絵」の範疇なのだが、こうも堂々とあけすけに開陳されると、なんだかこちらの気持ちまでハッピーになってくるような不思議な明るさを感じさせる絵だ。
なんでココで銭湯の絵なのかよくわからなかったが、普段何気なく見過ごしてしまうものの中にもそれなりの面白さはあるものだと再認識させてくれた企画展であった。
わずか二日間ではあったが「ツールド妻有」と相俟って、楽しく有意義な夏休みを過ごすことができた。