損得勘定を考えたらやってられない。

吉原治良の晩年の作品や「具体」という美術団体があったことは知っていたが、その実態は全く不明だった。
国立新美術館で「具体ー日本の前衛18年の軌跡」展というのが開催されている。
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だいたい前衛美術なんて言われている物は総じて面白くないものと相場は決まっているが、やはりここはひとつ押さえておくところかなあと足を運ぶ。
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館内のガラス壁沿いにインスタレーション。「綺麗だなあ」と思って見ていたら、なんと「具体」の会員、元永定正が約50年前に発表した作品を再現したもの。
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会場入り口は1956年の村上三郎作品(パフォーマンス)の再現。
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展示作品は案の定、余り面白くない、が、熱い!
「人の真似をするな、これまでになかったものを作れ」という吉原治良の言葉に賛同する美術家達の真摯な思いが直に伝わってくる。
この先鋭的な団体も、その作品傾向が時代を経るに従って徐々に洗練されたものに成っていく。ほぼ自明なことともいえるが、それを俯瞰できたのも面白かった。

「具体美術協会」が50~60年前に発表していた作品は有る意味前衛的すぎて、当時の美術界からはまったく評価されていなかったようだ。
しかしこういう運動があったからこそ、その後のゼロ次元のおっさん達や秋山祐徳太子等のハプニング(パフォーマンス)なども生まれたのだと思う。
当時は中央からはかけ離れたアウトサイダーの世界だったものが、現代美術では至極当たり前の表現方法の源となっている。

翻ってわがいけばなの世界を思う。
「現代いけばな」なんていうものの世界は世間の認知度が極めて低い。
う~ん、身につまされるなあ。
by katabami03 | 2012-09-08 21:57 | 展覧会・イベント | Comments(3)
Commented by うさぎ at 2012-09-08 23:59 x
いつ頃だったか 私が小学校?くらいの頃から大阪では吉原画伯は名が通っていました。家が吉原製油だったかの社長で。高校時代に入っていた美術サークルの顧問はBBのひとだったし、父母は白髪さんのサークルと親しかった。あのころの関西はとんでましたね!
Commented by 風うたい at 2012-09-09 11:32 x
元永定正さん、絵本の挿絵でおなじみでした。
谷川俊太郎作『いろいきてる』や、ジャズピアニスト山下洋輔氏との共作『もけらもけら』とか、色、形の楽しい世界のなかで子どもと遊んだものです。お写真のような立体的な作品は初めてです。光や風の具合で微妙な変化が楽しめそうな。
Commented by katabami03 at 2012-09-09 22:00
>うさぎさん
そうなんですか!
吉原治良の絵が時代を追って展示されていたのですが、時代を経るごとに良くなっていく。ただのアジテーターではなく言行一致の人だったのだと敬服。
それにしてもこれは貴重な証言。

>風うたいさん
そういう活動もされていたのですか。
己の不明於を恥じ入るばかり。
それにしてもうさぎさんのコメントといい、谷川俊太郎さんや山下洋輔さんとの交友、とんでますね。
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