一言で済んでしまう映画。

遅ればせながら「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を観てきた。

敢えて感想を書くほどのこともない。

「女優、メリル・ストリープを観る映画」コレで全てだ。

一言で済んでしまう映画。_d0117565_2153474.jpg

でまあ、コレだけだと「お前バカか」と言われてしまいそうなので、映画からは少しばかり外れてしまうかもしれないけれども、感じたことをちょっと話そう。

サッチャーさんが現役の首相だった時に、risiもリアルタイムでその演説やら会見やらを聞いていたわけだ。で、その時に感じたのは「なんて分かりやすい(聞き取り易い)英語を話す人なんだ!」。勿論(!)内容までは分からなかったけれど、とにかく耳に心地よかったなあ。
そう、私たちの世代が中学校に入った時に初めて接する英語っていうのは、まさしくサッチャーさんが喋るような英語だったわけだ。その後長じるに従ってアメリカだのオーストラリアだのといった様々な英語圏の英語と接してきたわけだ。今思えば、それらは英語の方言のオンパレードといったところか。
アメリカ人の英語教師が話す「I can not・・」と言うのは、どう耳をそばだてても「イーキン」としか聞こえなかったし、あまつさえ「I want to・・」と書かれているものを「アイウォナ・・」と発音せよ、と指導(強要!)されたものだ。
そんなときに聞いたサッチャーさんのスピーチは、まるで天から降り注ぐ花吹雪のように聞こえたものだ。
この花吹雪英語、メリル・ストリープは完ぺきにコピーしていたね。

サッチャーさんの出自は映画を観て初めて知ったのだけれど、階級だのジェンダーだの知ったことかという猪突猛進の姿。それがまたあの激動の時代を英国が乗り切った一因でもあったのかと深く納得。
英国と言うのはガチガチの階級社会が現存している国だと思うのだけど、是は是、非は非と白黒はっきりさせるあたり、やはり大人の国なのかなあ。翻って我が祖国は・・・ああ、やんぬるかな!

目がいいんだよねえ。顔は本人よりも細面だけれども、特殊メイクの技術力もあってか、ちょっとタレ目のところなんかそっくり。その目がギラリと光ったり、トホホ的眼差しになったり。目の説得力ってのもあるんだなあ。

イチャモンつけるとすればタイトルがどうにもいただけない。
普段、原題そのものをカタカナに置き換えただけのものや、直訳しただけのタイトルが多すぎることを憂いているrisiだが、この映画に関しては原題直訳の方がよほどマシだと思う。

「鉄の女」これで結構。コレの前に「メリル・ストリープの」と加えるのはなお可、かと。






休憩
by katabami03 | 2012-04-04 22:42 | 映画・演劇
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