命を繋ぐ-松田隆作展を見て。

「松田隆作展―桃の実のなるころ―」を拝見。

場所は有楽町国際フォーラムにあるアートショップ内の画廊。
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今回の作品は5,6年前に発表された、ドウダンツツジの表皮を削り取った作品のバリエーションと見えなくもない。しかし隆作さんにとって、今展は特別の思いが込められている作品展なのだろう。

タイトルが示すように、作品はすべて桃に絡むもので構成されている。

桃の枝の表皮を削って、中空に漂わせた作品。
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桃の枝のオブジェ。
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素材となった枝は隆作さんのご尊父が苗木から育てられた4種類の桃とのことで、最近弱って来たので一枝を残して作品の素材にしてくれ、と隆作さんに委ねられたものだそうだ。
古木になり実を結ぶ力が弱くなった桃。それを作品とすることで、枝にあらたな命を吹き込む。父から子へと託された命のリレー。

壁面に展示されているのは、4色の線で描かれたドローイング
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隆作さんのドローイングは初めて拝見。これも4種類の桃の木を4色の線に置き換え、人と人との交わりを想い制作されたようだ。
洗練されたデザイン的な作品とはちょっとかけ離れた、どことなく人間的な臭いの漂う作品。時に淡く、時に濃く交わる線と線。様々に交わるもののけっして結びつかない線に人の世の無常を想うのはうがちすぎか。

ご尊父は一カ月ほど前に亡くなられたとのこと。
制作にあたってはご両親への鎮魂の思いが込められているであろうことは想像に難くない。



松田隆作展―桃の実のなるころ―

有楽町国際フォーラム・アートショップ内 エキシビションスペース
7月31まで
by katabami03 | 2011-07-01 23:29 | 展覧会・イベント | Comments(4)
Commented by nageire-fushe at 2011-07-02 21:42
面白いですね~~~~
ドローイング、好きです!
Commented by katabami03 at 2011-07-02 23:58
>nageire-fusheさん
見ていてとってもあたたかいドローイングなんですけど、ハッピーエンドではなくて、どこかせつなさを感じるんですよねぇ。
隆作さんの家族への思い、そして会者定離・・・どっぷり日本的な感性です。
Commented by kusanomi at 2011-07-04 12:41 x
レセプションに伺いました。
桃色のロゼワイン―――イタダキマシタ。

鎮魂の中に やさしい哀しみをはらむお作品たち。
削られた木の破片は また何かにかたちを変えるのでしょうか?
Commented by katabami03 at 2011-07-04 23:01
>K先生
伺えず残念。ロゼワインもっと残念。

隆作さん、元気でしたか。DMにそうとう疲れているようなこと、書いてましたけど。
あ、いつものこと?
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