尻尾の付け根を食す。

五日市街道は桜の季節になると、小金井公園に花見に行く車で大渋滞がおきる。
今年の春にもその渋滞に引っ掛かり、裏道を抜けようとした時に、ちょっと気になるお店を見つけた。
なかなか行く機会がなかったのだが、昨日ようやく行くことが出来た。

「旬菜 ふっとか」。非常に分かりにくい場所にあるのだけれど、大谷石の蔵を改造したお店が目を引くお店だ。
入口に準備中の札がかかっていたが、ドアが開いていたのでおそるおそる中を覗いたところ、店主と思しき人が出てきて、おまかせで、なおかつ20分待ってくれれば出来るということなので、お願いする。

店内は思ったよりも広い。
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分かりにくいけれども、上部の壁面は剥きだしの大谷石。
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お客は私たちだけなので、調理中の店主にいろいろと話を聞いた。
もともとはイタリアンから初めて「イタリアントマト」に長くいたらしいが、その後新宿のサンルートホテルの料理長をやったり、独立してからはステーキのお店をやったりと、かなり変わった経歴の持ち主のようだ。今は魚介類の料理が中心で、お客さんからの注文が無い限り肉料理は出さない、とのことだ。やっぱり変わっている。
その日に市場に行って、よさそうなものだけを仕込んでくるとのことで、一匹丸ごとの鰤(ブリ)や鯛を見せてくれた。
さらのこんなものも。
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マグロの頭とカマ。貝類もデカイ。
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この牡蠣はスリッパくらいある。

中を覗いていたら珍しいものをさばいている。
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これはマグロの尻尾の付け根の部分。
カマや頭はちょっと気の利いたお店では見かけることもあるが、マグロの内臓と尻尾の部分は前々から一度食べてみたかった。まさかここでお会いできるとは・・・。

で、本日のお昼のお任せ料理。
炊き込みご飯とアラ汁。
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ぶりこ(はたはた)の煮付け。たまごがはち切れんばかり。奥はブリの刺身。
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ブリは大トロの部分なのだけれど、くどさはまったくない。スーパーなどで買うハマチの方がよっぽど脂っこいかんじだ。
インドまぐろ、尻尾の付け根の部分の刺身。
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このスプーンの上に乗っているのは、皮と身のあいだにこびりついている身の掻き落としで、スプーンの裏に醤油を付けて食べてくれ、という。
味はマグロだけれど、レーズンバターを食べているような食感だった。
これに梅干しドレッシングのサラダ。煮付けとか刺身とか和食なのに、このサラダはサッパリ味でまったく違和感なくいただける。
さて気になるお値段。
ジャーン、なんと一人1200円!
まあ初めての客なので少しサービスしてくれたのかな。
あ、それとオプション。食べながらいろいろと話をしていたのだけれど、食材の話をしていた折に白貝というのを見せていただいた。別料金でよければ、ということで「白貝のカルパッチョ」を作っていただいた。
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見た目もすっきりしているけれど味も淡白、磯の香りが口中にひろがって、たくさん食べたいとは思わないけれど、忘れがたい味がした。もちろん値段はリーズナブルでした。

参考までにお品書きを。
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お店の外観。
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by katabami03 | 2010-12-15 23:57 | 食べ物・飲み物
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